空っぽのまま狂っていったのは部屋か心か彼女か

物語で言えば中盤、二人の話し声が聞こえた時点で終わりだと思ったら、そこからさらにもうひとひねり。
訥々と、大人しい文章でありながら淡々と狂っていて。まるで白黒映画の美しい殺人劇のような不気味さでゾクゾクしながら読みました。
窓のカギは外れたが、窓そのものは開かない、というところだけが少しつんのめってしまいましたが、あとは私としてはパーフェクト。素晴らしい狂いっぷりと、派手で見るからにおかしな描写がなくても狂気は静かに存在できる、という証明に脱帽です。

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