第0.5話

西暦2025年。

この年、アメリカで世界一の天才と言われたアラン博士が死去した。

これにより彼が極秘軍事機密で進めていたウィルス兵器の設計図が無くなる。

完成した設計図はただ一人、アラン博士の記憶に閉ざされてしまう。


その記憶を呼び起こすために、gimmick《ギミック》プロジェクト部隊が

編成された。


実験体 NO1 アーシャ。

アラン博士の臓器、心臓をアーシャに移植後。

脳にある海馬かいば、短期記憶領域を刺激するためにアラン博士が

作った記憶転移擬似血液を投与。

開始九分で目を覚ましたアーシャに記憶の転移が始まるがアラン博士との対話が

全く成立しないまま、アーシャの体に拒絶反応が起きる。

大量の吐血とともに死去。


実験体 NO2 ドミニカ。

アラン博士の姪。再びアラン博士の心臓を移植。

擬似血液の濃度を上げ、海馬の外にある長期記憶領域を刺激させる。

開始二分、記憶転移が始まる。アラン博士との対話に成功したドミニカだったが

、同時に記憶喪失症候群となる。

これにより擬似血液は長期記憶領域を刺激し、さらに脳中枢部を破壊を起こさせることが分かる。

移植後、アラン博士の心臓へのダメージが深刻化。

心臓へのアレルギーまたは細胞劣化、腐敗の可能性。

次の移植が不可能になる。18歳のドミニカは移植後、半年で死去したが

アラン博士との対話は6回にも及ぶ。

擬似血液の体への拒否が見られ、記憶喪失症候群となる。

ドミニカ、自殺。

この間、ドミニカから得た情報により、ウィルス兵器の設計図が再び

データとしてアメリカ政府が手にする。


2026年。記憶転移による軍事兵士の作製が秘密議に始まる。

少年少女にウィルスを埋め込み、目的地にて擬似血液を投与することで、

作戦遂行を測る。










gimmick《ギミック》プロジェクトを再び遂行。

ドナー、心臓は機密違反を犯したドナルド陸軍大佐のものを使用する。


実験体NO3 ランバルト。

移植後、ウィルスが全身転移。焼却。

実験体NO4 ベル

移植後、左半身に転移。焼却。

実験体NO5 ミカ

移植後、一週間心臓にウィルスを閉じ込めることに成功。

8日目、擬似血液を投与。ドナルド陸軍大佐が知る軍事情報を

記憶転移させることに成功。

軍施設内にて、観察中。




‥‥


‥‥


実験体NO6 サキ

マーク軍曹の心臓の移植手術が、今日始まった。




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ギミック @hiroki18

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