アイツ
@hiroya1029hiroya1029
第1話
太陽の激しい自己主張が毎日繰り返されるなか今日は久方ぶりに雨が降っている。帰るのが面倒になり机に突っ伏していると、後頭部を激しい痛みが襲う。このパターンは最近慣れている。振り返るとそこには頬を少し赤く染めた彼女がいる。彼女は、教科書のたくさん入ったスポーツバッグをリュックサックのように背負い、とびっきりの笑顔で俺にこう言う。
「一緒に帰ろーーー」
俺は、返事もせずに立ち上がり靴箱へと向かうと自然と彼女が着いてくる。靴を履き替え外へ出る時、傘が無いことに今更ながら気づく。
「ハイこれ!」
「サンキュな」
水色の折りたたみ傘を受け取る。その際に横目で彼女の手元を見ると彼女はしっかり自分の分を持っている。
「あっハイ、帰りましょうか楓さん」
すると彼女は四方な頭を回しどうしたら良いのか分からない様子で困っている。
あからさまにいじけてはみたものもそれは、彼女にとっては、大問題であることに気づき態度を改める。彼女は恐らく、いや100%俺の事が好きなのである。ここ最近の彼女は、今年初めて同じクラスになった俺に、やたらと話しかけてき、最近ではヤンチャキャラを装い俺と一緒に帰りたがる。
「あぁ、充実してるなぁ俺って」
アイツ @hiroya1029hiroya1029
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。アイツの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます