人間は、生まれながらに「公平 / 不公平」の概念をもっていて、その差に敏感に反応するといいます。昨今の「格差」とか「平等主義」は、それを表していると。主人公は、『平等な世界』に行くことを望みます、おそらく主人公の望んだものは、現実の不公平に溢れた社会の対義的世界であったのでしょうが。その世界で、重大な矛盾に突き当たります。そもそも、ヒトは(生物学的に)全て同じに出来ているのでしょうか……?一読して感じたのは、これは重要な寓意を含むSFだ、という印象でした。現実世界を顧みれば、今までとは違って見えてくる……かも、しれません。
平等な世界に行きたいと願った主人公。すると、謎の声が彼女を「平等な世界」を見せてくれると言った。そんな「平等たる世界」でのお話である。読み終わると、平等ってなんだろう?幸せな世界ってなんだろう?主人公が本当に望んだ、平等な世界とはなんだろうか?という疑問ばかりが頭をよぎる。本当に、なんだろうね……。考え出すたびに、心苦しくなります。
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