人間は、生まれながらに「公平 / 不公平」の概念をもっていて、その差に敏感に反応するといいます。昨今の「格差」とか「平等主義」は、それを表していると。
主人公は、『平等な世界』に行くことを望みます、おそらく主人公の望んだものは、現実の不公平に溢れた社会の対義的世界であったのでしょうが。その世界で、重大な矛盾に突き当たります。
そもそも、ヒトは(生物学的に)全て同じに出来ているのでしょうか……?
一読して感じたのは、これは重要な寓意を含むSFだ、という印象でした。現実世界を顧みれば、今までとは違って見えてくる……かも、しれません。