本当の幸せとは何か

あれから半年後、元保護者が請求した裁判が開かれた。

当然ながら、過去の精神的・肉体的な虐待の事実が大まかに認められ、元両親の親権は正式に停止した。

現在の親権は、児童保護人が代理的に実行しており、精神的・肉体的に回復したと認められた時に初めて、里子に出される。

僕が見ている子には3年近く立っても精神的に完全に回復したと言い切れない子が何人もいる。そう言った子がいるという現実を見ると、宗太郎君の回復力は他の人に比べて早いと言う事が出来る。

宗太郎君を精神的に立ちなおさせるために、行橋に頼んでその道の専門家と言うか同僚に能力について、いろいろ面倒を見てもらった。何でもその同僚は警察庁の所属らしいが・・・僕よりも待遇が良く、他人に対する接し方も模範的だったが・・・。


宗太郎君については一時的にその同僚のもとに一定期間能力についての教習をしてもらいながら様子見をしてもらい、問題が無ければ、施設を出ることになる。


今回の宗太郎君についてはかなり特殊な例だと言う事が言えるが、基本的には回復するのにかなり時間がかかる。






宗太郎君の例は特殊であるが、自分の産んだ子に対して何故、酷いことが出来るのかと時々疑ってしまうが、答えはわからない。



最後に、雑にまとめてしまったが、以上で大熊宗太郎に関する記述を終了する。

20XX年X月X日 葛南児童保護所 児童保護人 城野行川

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児童保護人 幻想鉄路局 @tetudoutyousatai

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