第5話 MMAで負けるブラジリアン柔術

 当然のことながら、現代MMAは柔術だけで勝てるほど甘くありません。

 相手の方が柔術が下手でも、打撃や投げ技などの総合力で上回られれば負けます。

 大して練習しておらず、マイナーな地下格闘イベントばかり出ている相手なら柔術だけでも勝てますけどね。


 そもそも、試合は立った状態から始まりますし、最初に行われるのは打撃戦です。ここは柔術より打撃系の選手の方が有利です。

 タックルにしても、レスラーの方が上手いです。昔はガードポジションからの攻防をレスラーが知らなかったので、タックルされても勝てましたが、相手が柔術を知っているならそうそう上手くはいきません。

 上になった人間はパンチで下の柔術家を仕留めなくても、下からの関節技や絞め技、スイープ(上下のポジションを入れ替える技)に気を付け、パウンドを落とし続ければ判定で確実に勝てます。

 テイクダウンディフェンスという、タックルされても倒されない技術も、レスラーの方が上です。


 極論すれば、打撃とレスリングだけ鍛えたファイターが柔術家と対戦すれば、ずっと立ったまま、打撃だけで試合が終わり、柔術家が負けることは十分にありえます。


 もちろんトップ戦線で戦い、勝っている柔術家も居ます。クロン・グレイシーはトップとは言えませんけど、ホナウド・ジャカレ・ソウザやデミアン・マイアは十分戦えています。

 彼らが打撃やレスリングの練習をしたからです。


 逆に、柔術界ではレジェンドである、アンドレ・ガゥバォンやマルセロ・ガルシアは、MMA挑戦に失敗しました。

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MMA・ブラジリアン柔術・バーリトゥード 雲出鋼漢 @Aa12146a

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