文学調で語られる、粘液リモスの生き様

これは面白い! 金を掘り貯め込むことに生きがいを見出す粘液リモスが主人公ですが、特徴的なのは会話文よりも地の文が多く、昭和くらいの文学調の筆致で綴られていることです。
物語は三人称視点で、あくまでも怪物たちの視点から語られ、人間の登場人物は「黒髪」「ハゲ」「とんがり」などと呼称されます。リモスは怪物仲間との交流に興味が薄く、人間の描写は先のような具合ですから、あれよあれよと登場人物が入れ替わっても感情移入よりも先に無常観を感じ、それがまた愉快です。
まだ序盤を読んだのみですが、これは絶対に楽しい作品です!

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