傑作ではない。でも良作。

地味な話で傑作ではないが、丁寧さで良作とは言える。はっきり言って全部読むのはかなり大変。文章が独特だからだがそれだけにキャラの動きも変わっている。早い話が口述的な表現になっていて、これが徹頭徹尾だ。キャラに愛着がもてないとついていけないが、恐らく作者が好意的に書いているだろうキャラについてはかなり読みやすい。猿と魔王、この二人についてはこれでもか、というほど長所が述べられている。主役で金持ちチートを持っているリモスはかなりどうでもいい扱い。あと、この世界のキャラはほとんど超自然的能力を発揮しないか、しても大した影響がない。これは盛り上がりに欠ける。ために読者を選ぶだろう。加えて女性キャラが全く魅力的でないのは大きな欠点だ。性転換のくだりは意外性たっぷりで笑ってしまった。この手の群像劇は登場キャラが多く、再登場まで間が開いているため、キャラ一覧で紹介してほしいところ。場面もあちこち変わるため、純粋な洞窟物とはいえないのではないか。

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