大学生だった主人公が滝川一益に生まれ変わり(?)、幅広い知識を活かして織田家を天下に導く大河ドラマです。
しかも、織田信長が女の子です。
まあそれだけだとよくあるといえばあるかも知れませんが、時代考証およびその時代における人物の描写が非常に丁寧で、また、歴史に結構な軌道修正が起きるくらいに裏からいろいろやりつつも、物語が破綻しない構成は実にお見事だったといえます。
また、国取りだけでなく、戦国時代で出来るだけ再現可能な料理や娯楽などといった寄り道話が、この大河を読破するテンションを維持させてくれるのもやり手です。
いやはや、いい歴史修正ものでした。
まずはあまりにも可愛らしい少女であり、戦国時代を駆け抜けた稀代の天才武将でもある信長ちゃんの二面性が読者を引き付けます。
けれど、この作品の魅力はそれだけではありません。
武田信玄と、ガチで戦う織田信長を見てみたいと思った事はありませんか?
その願い、この作品で叶いそうですよ?
主人公は謎の多い滝川一益となった現代人。
その豊富な知識で信長ちゃんをサポートした結果、史実とは大きく違った道へと踏み出します。
説得力のある架空の日本戦国史!
難しい題材を、作者の豊富な知識量が見事に描き出す!
日本史に少しでも興味のある貴方、そして美少女好きの貴方も、この作品はお勧めですよ。いかがです?
歴史好きの大学生カズマは、天文十四年(1545年)の尾張に転生する。そこで出会ったのは12歳の織田吉。後の第六天魔王、信長だ。吉はさすが戦国一の美女・お市の方の兄となる血筋だけあって、目力の強い美少年……と思っていたら、美少女だった。語尾に「のじゃ」とつけてしゃべる美少女・信長ちゃん。
カズマは猛将・滝川一益として「のじゃ姫」に仕え、天下布武を目指していく!
今まで武将を美少女化する作品は食わず嫌いだったんですが、この作品でハマりました。
あどけなさの中にも「天才」「うつけ」の片鱗が見え隠れする信長ちゃんが可愛い……。幼馴染の女忍・奈津との逢瀬を重ねたりしつつも、信長ちゃんを支えてカズマが次第に頼もしく思えてきます。
もちろん、歴史小説としての面白さも充実。通好みのエピソードをストーリーに絡めてくる一方で、ここにこだわると長くなるだろうな、というところはさらっと流す。そのバランスが絶妙です。
魅力的なタイトル、軽快で親しみやすい文章、毎回の引き込む書き出し、安定した更新頻度。
いろいろな面で、上手いWeb小説のお手本と言っていいんじゃないかと思います。
歴史好きな人だけでなく、あらゆる人におすすめ!