第2話終わりであって始まり

僕は死にました。ええ確かに死んだのです。初めて一目惚れした次の日に大切なとっても大切な感情。僕が初めて持った大切な感情。あの人と一言でも言葉を紡ぎたかった。これから始まるかもしれなかった大切な時間それがたった一度のミスで全て白色無色に変わってしまった。

おかしいじゃないか!僕はただこれから始まるかもしれない物語を作ろうとしていただけではないか?それが何故こんな事で終わってしまうんだ!ふざけるな!こんなことが許されていいのか?ぼくのこの残ってしまった感情はどうすればいいんだ…

だからどうか、お願いします。僕は僕である人生を終えてしまってる。でも、たった一度でいい僕のこの気持ちにどうかチャンスをください。少しだけ少しだけ僕に時間をください。どうしようもないこの物語に結末を作ってあげるためにもどうか…


「あなたはそれを求めるのですか?」

綺麗で透き通った声だった。声の聞こえる方を向くと真っ白な無の世界に咲く一輪の花がそこにはあった。


僕は呆気に取られて何も声に出せなかった。

花が喋った?そんな馬鹿な?嫌でも確かにここから聞こえたような。頭の中が初めてのことに出会いすぎてうまく整理がつかない。


「ごめんなさい。驚かしてしまいましたね。ちょっと待ってください」

そういって、突然花が光出した。あまりの眩しい光に目を瞑ってしまった。

そして、次の瞬間目を見開くとそこには天使がいた。

嘘ではない確かに天使だった。長い黒髪が白い肌とマッチしていてとても神秘的なものを感じさせていた。

小さいその身体に似つわない大きな白い翼が背中に付いていた。天使を初めて見た僕はすごく高揚していた。

これから始まる物語の大切な人物とこの時に出会ったのだった。



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