終章
とある小さな街のとある酒場で、男二人が酒を交わしながら談笑していた。
「なぁ、知ってるか? 最近魔人を退治して回っている騎士がいるって話」
「ああ、どっかの国のお姫様を連れて、大陸中を旅しているって話だろ? 魔人だの退治だのなんて、ただの尾ひれの付いた噂話だろ?」
「だよなぁ。バカバカしい話だよなぁ。はっはっはっ!」
大声で笑いながら男二人がそんな会話をしていると、若い商人の男が横から突然現れては尋ねてくる。
「すみません。今の話はどこで聞いたのですか?」
突然のことに男二人は驚いたが、酒がいい感じに回っていたため、特に警戒することもなく商人の問いに快く答える。
「んん? いやぁ。なんか、その騎士や姫がこの街にも来てるとかなんだとか、そんな噂を耳にしただけだよ。一体、誰がこんな与太話を広めているんだか」
「いえ、それが本当に実在するらしいんですよ。なんでも、いろんな国や街を魔族の脅威から救ったり、難事件や問題を解決したりなどと噂は絶えません。私も商売柄、国を転々としているのですが、最近では『異国の騎士』なんて呼ばれて、結構有名になっているんですよ。それが事実かどうか、一目見てみたいと思って噂を集めているのですが……」
商人の男が真顔で語ると、男二人は大笑いする。
「兄ちゃん、面白いこと言うねぇ。若いねぇ。ここは奢ってやるから飲め飲め。あっはっは!」
終章「『異国の騎士』物語」-続く-
『異国の騎士』物語 立早 のノ乃 @tachibaya_nonono
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます