第3話~星砂がくれた運命は廻るいまもこれからも~

 その後も、何人かフレンズがきた。

 「あなたは…ジャガーなのです」

 「ジャガー………わからん」

 「ジャガーはジャガーなのです。」

 「んー………わからん」

 「もういいのです」

 

 「当ててあげるわ!私がなんなのか!」

 「いや、あなたが聞きにきたのではないのですか?」

 「私は………ヤギね!!」

 「いやどうみてもキリンなのです」

 「ばか…な…私の推理が外れるなんて…」

 「いや初めから支離滅裂だったのです」

 

 「俺はなんなんだ?」

 「聞き方が雑いですが…あなたは…オーロックスなのです」

 「俺はオーロックス…」

 「……………」

 「どうした?」

 「いえ、なんでもないのです」

 「そうか…」

 体格の良い背中を見送り、私は図書館へと帰っていった。

 「たまには休みが必要なのです」

 そう呟きながら、図書館の壁にたてかけている縦に長いものに近寄った。

 「これはなんなのでしょうか…」

 その長いものは、周りを縁取られ、その中にこの図書館と同じような部屋がある。そしてそこに、茶色の毛皮のフレンズがいる。

 目が眩むほどにまぶしい夕日が差してきた頃、やっとこの謎が解けた。

 「これは…私なのです?」

 「ふぅ、こんなの朝飯前なのです」

 誰にも聞かれることのない独り言を呟く。

 「今日はいい気分なのです」

 いつもより上機嫌で木の上にあるじゃぱりまんにかじりつく。

 すると、図書館の扉がギギギと開く。そこから、夕日に照らされた白いフレンズが出てきた。声をかけようとおもったとき、なぜか声が詰まった。どこかで見たことがあったきがした。勿論、どこかは忘れていたが、何故か本能を刺激される感覚に陥った。

 そうこうしている内に、白いフレンズは縦長いものに興味を引かれ、それがなんなのか考え出した。

 (わかるはずがないのですが…なぜわかって欲しいと思ってるのでしょう…)

 そう思っている矢先に、そのフレンズは答えを出した。

 「これは、私?」

 私は柄にもなくにやけながら声をかけた。

 「やりますね。これを解いた子は今のところ私とあなただけなのです」

 「じゃあ、あなたは私がなんなのかわかるのですか?」

 「はい…チョイチョイなのです」

 この子の動物を探そうとする…いや、探す必要もない気がしてきた。

 何故、この子が猛禽類だと…コノハズクだと分かるのだろう

 何故、今私は泣いているのだろう…

 私は頬を伝う雫を誤魔化すため橙色の陽光に隠れて言い放った。

 「あ、あなたは…アフリカオオコノハズクなの…です」

 「おかえりなさい、博士」

 涙で滲み、すすり声でよく分からなかったが、博士も泣いていたような気がした。

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其の瞳にはいつも白いけものが映っている @dymentars

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