概要
極振りしたのはステータスじゃない、設定だ。——みたいなね。
現代日本の少女・瑠璃は、気がつくと水の都の噴水の縁に座っていた。そこは巨大な外壁と水道橋に囲まれた街。帰る術もチート能力もないまま、彼女は辺境伯令嬢リルとして生きていくことになる。
外壁の外で捨てられた犬や猫の死骸を見つけたとき、リルは初めてこの世界に怒りを覚える。領主の娘という立場を使って作られたのは、鳥獣憐みの令と、孤児や奴隷の子どもたちを受け入れる孤児院。善意から始まったその制度は、やがて対象を広げていき、いつしか悪法と呼ばれるようになっていく。リルは王国の聖女と讃えられながら、同時に悪役とささやかれる存在になっていった。
一方、獣人の血を引くイシュの民・リオナは、本来怒ることのできないはずの種族のなかで、生まれつき怒りを持ってしまった例外種。水結晶に惹かれて外壁の街に入り込み、黄
外壁の外で捨てられた犬や猫の死骸を見つけたとき、リルは初めてこの世界に怒りを覚える。領主の娘という立場を使って作られたのは、鳥獣憐みの令と、孤児や奴隷の子どもたちを受け入れる孤児院。善意から始まったその制度は、やがて対象を広げていき、いつしか悪法と呼ばれるようになっていく。リルは王国の聖女と讃えられながら、同時に悪役とささやかれる存在になっていった。
一方、獣人の血を引くイシュの民・リオナは、本来怒ることのできないはずの種族のなかで、生まれつき怒りを持ってしまった例外種。水結晶に惹かれて外壁の街に入り込み、黄
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?