第6話(蛇足)
「――大王、あれで宜しかったのですか?」
「ん?」
「本来は共に一万年程、刑に服した後来世に渡るものを……」
「構わぬ。我々は罪業を正確に測り、その魂を浄化する為の『最も適した』刑罰へ
導くのが仕事。
特殊な事例には特殊な方法で行うべきだ。その為の最後の『間』なのだから」
大王は椅子に深々と腰掛けると少し面白そうに、
「あの男、来世では妻を失い、一人きりで生きていく定め。
その間は人を助けながら生きねばならぬが……はてさて、その役目を
全うした暁にはワシからささやかな祝いをしてやるかな?」
「天主様に怒られますよ?」
副王の窘めに大王は豪快に笑うと、
「二人が『幸福な恋』であれば、天主様も笑ってお許しになるだろう」
幸福な恋 うぃーど君 @samurai-busi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます