夜の思想

最近月を見上げなくなった

そんなことを考えて 最後に見た月を思い出そうとした

色々なものが自身をすり抜けて消えていく

そんな喪失感にも似つかない虚空を感じながら空を見上げた


自分が台無しにしたものたちが

走馬灯のように流れる夜は 今日で何度目だろうか

ぞろぞろと自分を責め立てる人が現れては消える

そんな罪悪感にも似つかない悲しみを感じながら国道を見下ろした


溜まった泥水を捨てるでもなく 風雨に晒して嗜む卑しさ

どこかで誰かが言っている 抗ってみせろと

そこらで自分が言っている もう勘弁してくれと

それでもあの曲の あのフレーズにだけは心が震えた


いつまでも忘れられない言葉があった

そんな捨てても捨てきれず 後生大事にしまってあった

だからあちこち綻びだらけで 本当はもう泣いている

そんな安心感にも似つかないほのかな喜びを胸に眠る

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詩集 @aptorojp

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