大人になって

西に流れる雲を目で追った

夕日の赤が目に染みて僕は僕の弱さを呪うんだ

「いい歳こいて」なんて言うけれど,きっと誰だって迷うんだ

迷子になって泣かないのは大人になった証拠だ

迷子になるのは人間になった証拠だ

涙を飲んだ数の分だけ誰かは誰かに優しくなれるって

僕は子どもみたいに信じてるんだ


終わりかけの夏に手を伸ばした

秋の風に身震いして僕は僕の孤独を呪うんだ

「いい大人が」なんて言うけれど,きっと誰だって寂しいんだ

寂しさに耐えようとするのは大人になった証拠だ

寂しさを知っているのは人間として生きた証拠だ

伸ばした手のその先を信じられるようになりたくて

僕は子どもじみた心を震わせるんだ


誰だって,孤独に震えて,涙を堪えてるのかもしれない

僕だってそうさ だから僕は僕以外の誰かに巡り合いたくて

今日もあの夕日に目いっぱい手を伸ばすんだ


迷子になって泣かなくなっても

寂しい夜に眠れるようになっても

心の中では子どもみたいに喚いてるって

僕はきっと誰かに気づいてほしいんだ

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