エピローグ「私を連れてきてくれて」
最後に私の母親と父親のことを話すであります
私の母親の名前は瑙楼 来優(のうろう くう)
瑙楼一族はどこか呪われている
私の眼であり 奈古風先輩の臓器であり ババ様の足であり
しかし母の悪いところは物体ではないく実態にないもの
すなわち『運』であります
一歩歩けば犬に噛み付かれ
一歩歩けば電柱に当たり
一歩歩けば上からペンキが落ちてくる
父から聞いた話では上から鉄筋が落ちてきたときもあったとか
母はとっても運が無かったのであります
しかしその凶運を吹き飛ばす強運が現れたのであります
それが父親 瑙楼 強(のうろう つよし) 当時は神響 強でありますか
高校の時同級生で初めての出会い
父は一目惚れだったと言ってたでありますか
その時の心情を母がいない時に永遠に語るからよく覚えているであります
話が終われば「母さんには内緒だぞ!」と毎回毎回・・・
母は・・・どうだったでありますかね
父の必死のアピールで折れただったか・・・
いや違うであります 確か危ないところを助けてくれて惚れたと言ってたであります
ラブラブな夫婦であります
それから両方の親には内緒で交際を始め
高校を卒業して結婚しようとしたとき
父方の家が母と結婚するな と言ってきたであります
そこで父は苗字を捨て瑙楼家に婿入りしたであります
でも瑙楼家も一族以外の人と結婚するのを良しと思ってなく
父と母は二人何も援助も無しに暮らし始めたであります
『眼華紗 将来私達がいなくても大丈夫よ あなたの周りには優しい人がいっぱいいるわ』
『お母さん なんでそんなことわかるです?』
『お母さん 運はないけど勘は当たるのよ!』
生涯 母は誰にも自分の能力を誰にも話さなかったであります
そう誰にも 父でさえ
その当時の私は眼の使い方をよく知らず 見えていなかったのであります
そうして過去そう言ったことから推測できること
母・・・瑙楼 来優は未来が見えた・・と思うであります
あの時も思ったでありますが 勘がそんな的中にあたるわけないであります
ただしこれは推測であります
母がなんの能力だったのか 今はもう・・・確認出来ないであります
私の両親はもういない
交通事故で死んでから一体何年でありましょうか
水響に拾われ
嗄恋を助け
龍闍に出会った
嫌なことしかなかったこの眼が役にたてて
感謝され喜んでくれて
不幸しかなかったこの人生を
私はこんなにも幸せでいられたであります
お父さん お母さん
私をこの世界に連れてきてくれて・・・
ありがとう
私の眼に映るもの 港龍香 @minatoRK
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