こういうお話、大好きなんです。私。
ひたすら笑える。面白い。これに尽きます。
こんなにお腹を抱えて読んだ小説は初めてかもしれません。
恐ろしく強く、無敵のAと、そんなAに果敢にも(無謀にも)挑んでいく語り手。
そんな二人の戦いの日々を描いたのが、この小説です。
語り手が淡々と話す様が更に話を引き立たせており、
読んでいる側としては「アホだなあ」と思ってしまうことを
大真面目にやる語り手の姿が、本当にツボです。
そして、笑いで息を切らしながらどんどん読み進めていった先に、
待ち構えていたもの。
この展開は、切なくてやるせなくて、一転ほろりときました。
Aがどんな思いだったか、主人公がどんな思いを抱いたか。
そう考えてしまうと、もう心がギュッと掴まれるような感覚を抱きました。
ここで、いつの間にやら気づかぬうちに、
二人に感情移入していたことがわかりました。
そしてほろりとこさせてからの、このラストはずるい!
微笑ましいじゃないですか!なんですか一体!
一話とは思えない程話が濃くて、
すいすいと読めるのに、読後は実に充実した気持ちを抱けました。
笑えて泣けて、ずっとずっと、いつまでも見守っていたいと思える、
そんな二人の物語です。お求めの方はぜひ!