チキンウィング

作者 碌星らせん

25

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★★★ Excellent!!!

あまり好きではない表現に、まるで一本の映画を見終えたようだというのがある。そういう風に形容される作品を、あまり私は好まない。
しかし、このすぐれた作品は、そのようにしか表現できない。
主観のみで語られるからこそ、映画のようにとはいかないはずなのに、ありありと情景が目に浮かんでしまうからだ。
なんなら、臭いや滴る汗の感覚すら覚えてしまう。

ロボット──あるいはパワードスーツに乗った主人公が戦闘をする。
筋書だけ見ればありきたりではあるが、その描かれる筆致、挿入される単語、略称、主人公たちの認識、それらが合わさり、無二のロボットものになっている。
いや、探せば似たような作品はあるのだろう。それは私が無知なだけなのだろう。
しかし、ここまで面白いものは、荒涼とした、寂然とした世界が瞼に移る物語は、ほかにないと思う。

類を見ない、ロボットものである。

Good!

これはあくまでも主人公の主観で描かれている。だから、その当たり前のことは描かれていない。ある種の叙述トリックとも言えよう。
ただ、ひとつ致命的な点。登場する巨大人型兵器の外見について最後まで触れられていないという事。首尾一貫して姿について触れられていないのでさっぱり外見が分からないのがきつかったですね。