今日の香りとあなた

@syuka42

第1話 香り1 珈琲

「私は物書きになりたかった

幼い頃から持っていたその夢はいつの日にか趣味に変わりそして忘れ去った」


ノートパソコンを閉じて溜息をつく。

ああ、まただ、今日も似たような文章しか書けない。

雨は降っているけど少し気分転換に外でも歩こうか、

雨の日は好きだ。ほんのりと香る雨の匂いが気分を落ち着かせる。

お気に入りの傘をさしてのんびり歩く。

ふと鼻を刺激する香りに足を止める。

目の前にはアンティークなカフェがあった。

「美味しいコーヒーが飲みたいな」

そっとドアを開けると小さく鈴の音が鳴った

「いらっしゃいませ」

そう言って微笑む男性は少しだけ年上だろうかスラっとしたどこにでもいる感じの人。

何の香りだろうか、香水とかではない自然なとてもいい香りがその人から伝わる。

珈琲の香りと彼の香りが混ざり合って私の心を掻き回す


ーーー私はこの人に恋をしたーーー









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