お家返上につき就職先を探すアレクシア。
ひょんな出会いから先の賢王の遺児ジュリアの家庭教師となるが……。
可憐な姫君ジュリアは女装男子、だけど中身は領地や国のことを考えられる王子様。
この設定がとにかく女子の心を鷲掴みにするうえ、気張らないアレクシアの性格が読者を感情移入させてくれます。
女装を強いられるジュリアの複雑な心境、腹心ウィリアムの忠誠心、翻弄されながらもジュリアを守るアレクシアの気持ち。
キャラがそれぞれ立っている上、余すことなく本文にその心情描写を書き入れられる筆力、素晴らしいです!
政変に巻き込まれ、災害に打ちのめされるその宿命を、お互いの存在を糧に乗り越える様子は感動的です。
読み出したら一気読み確定のおススメ作品です!
なお、書籍化された「ルクトニア領千紫万紅輪舞曲」も購入し2周拝読しましたが、こちらも大変面白いですよ!
そう、読み出したら止まらないのです。
ゆっくり、じっくり読みたいのに、続きが気になって、あと一話、あと一話……と、一気に読んでしまう面白さです!
性格に難ありと言われている女装王子ジュリアですが、確かに俺様なところもありますが、「王子様としか踊らなんです」と言ったアレクシアのために、エドワード王子と踊れるようにお膳立てしたり……優しい。
でも、本当はアレクシアと男性として踊りたかったんですよね。
「ジュリアと踊った方が楽しかった」
と、アレクシアから聞いた時の反応がまた可愛い。俺様のところまで、可愛く思えてしまうのです。
乙女心がキュンとなること請け合いです!
あとは読んでからのお楽しみです。
久々にキュンキュンさせていただきました。ありがとうございます♪
美しいアレクシアはどうしたわけか必要以上に自己評価の低い娘でした。見目麗しい乙女であり語学は堪能にして剣術体術の達人なのに、自分は死ぬほど不器量で取り柄が無いと思っています。
そんなアレクシアの魅力に一目で心を奪われたのが、一国の王子として生まれながら、政敵の目を逃れるために女性のふりをして、不幸で複雑な生い立ちに性格がやや歪んでしまった王子ジュリア(本当の名はユリウス)でした。
二人は恋に落ちますが、ユリウスを慕うが故に恋に躊躇うアレクシアのいじらしさと、愛情表現がど真ん中直球過ぎて相手をのけ反らせるユリウスの一途さが読者をヤキモキさせます。
果たして王国と二人の運命は……。
まるで歴史物語のようなジュリア(ユリウス)と仲間達の活躍が痛快にして爽快です!
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書籍化された<ルクトニア領繚乱記 猫かぶり殿下は護衛の少女を溺愛中>は、この作品の一世代後の時代を描く作品です。なので、両方読むと感動が百倍に深まります。あのときのあの人の名台詞が次の時代へと受け継がれてゆく奇跡を是非堪能してください。