勇壮な叙事小説、所謂、貴種流離譚―でも、本当は優しく不器用な王子様とお姫様の物語。
本当に可愛くて素敵なお姫様と傲慢だけど実は優しい王子様の、少しじれったい恋物語。
…なのですが、番外編がっ!番外編がカッコよすぎるのです!!
番外編は後日譚が描かれているのですが、それが皆カッコイイ!
皆カッコイイのですが、中でもウィリアム!ウィリアムがカッコよすぎるのです!!
って感嘆符連発していますが、それくらいカッコイイのです!
以下、少しウィリアムに関してのネタバレがあります。気になる方は読まないでくださいませ。
『ルクトニア一の色男』で『ユリウスの死刑執行人』―――二つ名だけでもカッコよさ全開ですが、それだけでは到底彼のカッコよさは語り切れません。
容姿も大事、強さも忠誠心も大事な要素ですが、一番大事なのはそう、中身です。
このお話の作者様はとても丁寧に人物を描かれるのですが、ウィリアムも例にもれず素晴らしい。内面が男前なのです。
本編ではさほど活躍を描かれていないのですがその分、ギャップが半端ないのです。
番外編のユリウスのエピソードでも、彼を喰う活躍ぶりです。ユリウス編では、外からみたカッコよさを描かれていて、ウィリアム編ではウィリアム視点で描かれています。二度おいしいですね。
なんかもう、番外編なのがもったいなく、いっそのことウィリアムが主人公のスピンオフ作品で長編が読みたいくらいカッコイイのです。
レビュー時点ではまだ完結していないので、更新が楽しみで仕方ありません。
末筆ながら、作者様、本当にありがとうございます。今後とも更新、とても楽しみにしています。
長文失礼しました。
これは読み始めると止まりません。
いや期待と違う路線ではあったのですが、面白くて。
意識が飛びながら読んだりレスしたりしていたので、
レスが何だか良く分からないことになっていました。
全部読んでいただいたようで・・すみませんでした。
非常に読みやすい上に止められないシロモノなので、
うかつに手を出してはいけません。
いつもは区切りまで一通り読んだらレスをして終了、
レスが多い時には絞ったりまとめたりするのですが。
ジャンル違いだから一つ読んだら止めようを何度も
繰り返した結果・・最後まで読んで寝落ち(気絶)。
面白かった です
かゆい うま
・・・
あ、うろ覚えの例の現象は今は不良用?みたいです
『闘気と威圧感により体を巨大に・別人に見せる』
『これは不良共の間では もはや常識であるが―』
昔は超人でさえ体のサイズが大きく見える「だけ」
だったのに、今や性別?位は変わって見えるらしい
※要・闘気
要約、今北産業:
大物は大きく見える=彼女が大きく見えるのは錯覚
なお今時の若いモンは人相や性別も変わるそうです
闘気で。
マジレスするとジロジロ見るには恐れ多いだけだよ
あと工夫してるよ
錯視で。
ポップなあらすじに反して、結構シリアス面が強い物語です。
生まれながらの性を否定され育てられた、どこか危ういジュリア(本名ユリウス)。「若い女」ということで、まず最初に「結婚」を考えるも断られ、就職のアテもなく、微妙に行き詰ってしまったアレクシアは、不器用だけれどやさしく危ういユリウスに惹かれながらも、身分差で苦しみます。
立場も性格も正反対だけれど、文化的な性や身分に振り回される二人。ゆえに、読んでいる最中には、ユリウスとアレクシアが結ばれてほしいと切実に思います。読んでいて本当に愛おしくなります。
――と、カッコつけるのはこのへんにして。
もう、「きゃー!!」って叫びたいぐらいに、甘酸っぱいです! ページをめくるたびに「きゃー!!」です! 特に第四章が最高に「きゃー!!」です!! (「きゃー!!」しか言ってない!)
シリアスといいつつも、登場人物のコメディ感が物語を明るい方向へ導きます。特に、二人の最大の理解者して保育士・ウィリアムはこの物語で一番働いたと思われます。彼の番外編もすばらしいですよ!
最後は、ほうっとした息とともに、「幸せになれてよかった!」と思えるでしょう。きっと続編を読みたくなるはずです!
自分には何も取り柄がないと思い込んでいる少女が美しい女装の王子様と出会うラブストーリーです。
ヒロインと王子様の掛け合いのリズムが軽快で、とんとん進んでいきました。
基本的にはラブコメですが、切ないすれ違い、切ない生い立ち、切ない別れと、ところどころに感情を揺さぶる設定や展開が配備されています。
いえ、切ないばっかりでもないんです! ときめきもたくさん詰まっています。
夢とロマンに溢れたラブストーリーです。
とにかく女装王子ジュリアことユリウスが魅力的です。
性格に難ありとのキャッチフレーズですが、年頃の男の子なんだなと思うとなんだかいじらしくなってしまいます。
母性本能をくすぐられる!
とても美しく可憐な容姿ですけど、けして好きで女装しているわけではない。
その出生の経緯から男であることを隠さざるを得ない。
本当は外でのびのびやんちゃして暮らしたかったんだろうな、と思うと悔しくて歯がゆくてたまりません。
途中で男の姿に戻る展開も来ますが、それも彼自身の意思ではなく、本当に何もかもままならない。
だから彼が自分から時代の要請に応えて立つことを選択した時は感動で震えました。
それもこれも、すべて愛のためなんですけどね!
罪な女、アレクシア。
惚れた女のために戦うユリウスはかっこいいぞ。
ヒロインのアレクシアも魅力的です。
背が高く、「この国の」美的感覚にはそぐわない容姿。ワルツも、本当に踊れている!? と不安がいっぱいですけど、強くてたくましい戦うヒロインです。
危なっかしくてはらはらしますが、大丈夫。
ユリウスが彼女に惹かれるのも分かる。
二人がお互いをとても想い合っているのが分かる……。
アレクシアはこれからもたくさん愛されて大事にされるんでしょうね、早くその愛を受け入れることに慣れてほしいです。
紆余曲折はあっても最後は大団円ハッピーエンドです。
ユリウスなら絶対アレクシアを幸せにしてくれるって私は分かってたけどね!
ほっとした気持ちで読み終わりました。
実は私の推しはエドワードです。
男らしく暑苦しいのが好きでして……!
ユリウスとウィリアムの兄弟のような親友同士でもあるような主従も最高でした。
番外編の川でのエピソード、ご褒美です。
素敵な作品をありがとうございました!
実は続編となる『ルクトニア領千紫万紫輪舞曲』を先に読み、それからこちらに……という通常とは逆のパターンで拝読させていただきました。
しかし!
順番など関係なかった!!
ドキドキとキュンキュンが止まらない!!
ふとしたきっかけで家庭教師という名目で雇われることとなったアレクシア、その主であり、訳あって女装しているジュリア、この二人の掛け合いが本当に楽しくて可愛くて、時に切なくて…………もう心臓が休まる暇がない!!
二人だけでなく、ジュリアお付の騎士・ウィリアムという強キャラが加わると、トリオコント状態!!
しかしそんな平和な時は続くことはなく、二人は恋心を抱き合いつつも、時代の流れに翻弄されていきます。
世界観がしっかり作られているからこそリアルで生々しくて、それ故、苦悩するアレクシアに激しい共感を覚えました。
笑って怒って、泣いて喜んで、ヒロインを全力で応援したくなる、素敵な恋愛物語です♡
最初から最後までドキドキときめきの連続でした。カッコいい男子も取りそろえられて?いますし。私の基準ではわりに長いお話ですが、途中だらけることも読んで飽きることもなく、ずっと楽しめました。
私が特に感銘を受けたのは、二人の印象的な出会い(それもそのはず彼は女装中ですから)をふと彼女が後で思い出す場面です。ここを読んで一番泣きましたね、切なさ度マックスでした。
ヒロインは武術に長けているしその辺の男性よりも強くて、背も高いです。品格がないとは私は全然思いませんでしたけど。充分品の良いお方です。私はこんな芯のしっかりした女性キャラはモロ好みですね。
脇役のお気に入りはヒロインのお姉さまです。流石人生と恋の先輩、色々いいことをおっしゃっていました。
素晴らしい作品、ありがとうございました。
16歳の女子だというせいで良家の家庭教師になり損ない続けているアレクシア・フォン・ヴォルフヤークトは、5回目の就職に失敗した先で先王の遺児であるジュリア・オブ・ルクトニアを救うことに。
果たして彼女の家庭教師となったアレクシアだが、ジュリアはなんと、姫を騙る王子様だった!
強い、でかい、あきらめがいい、三拍子そろったアレクシアさんのキャラクターがとにかく秀逸ですね!
セリフじゃなくて多彩な地の文で綴られる彼女の有様は実にわかりやすく、そして軽妙です。
構成ももちろんなんですけど、この文章力は見事ですねぇ。その文章のおかげさまでするーっと読める、意外なほど濃い悲喜劇は極上のひと言ですよ。
さらに初っぱなから俺様全開なジュリアさん、すばらしくおかしいです。
アレクシアさんとの衝突がおかしくて、少しずつ縮まっていく距離が愛しくて……キャラの個性の輪郭をここまで太く引ける造形力は本当に希有なものです。
読み手の方にも書き手の方にもおすすめいたします!
(秋こそガッツリ!長編4選!/文=髙橋 剛)
お見合いを19回断られ、痛っ! ……失礼しました、うち1回は自分から断ったアレクシア・フォン・ヴォルフヤークトは、致し方なく就職先を探すも、姉の紹介で面接におとずれた家庭教師の働き口はすでに5回断られている。実家はお取りつぶしの憂き目にあっているため、行く先のないアレクシア。
ところがひょんなことから、暴漢に襲われた人形のように美しいお嬢様を助けたことにより、そちらのお屋敷で家庭教師として雇ってもらえることになる。……ことになる。……ことになる。……ことになるのだが。
そのお屋敷のお嬢様、ジュリア・オブ・ルクトニア。先王の遺児。彼女は一見超絶美少女なのだが、よく見ると男。しかも、わがままで身勝手な性格の、おれ様男子なのである。
彼は対外的には女であると偽って、現王の目から逃れて生きていたのだ。
そんなジュリアに家庭教師として雇われたアレクシア。当然本来の役目は全然ちがう。宮廷内部の陰謀に巻き込まれ、ワルツしか踊れないのに舞踏会につれ出され、その結果ワルツも大して踊れないことが発覚したりとさんざんなアレクシアだが、徐々にジュリアとの距離は縮まってゆき……。
とにかく、読んでいて、ああこれ、女子にはたまらんだろうなぁという展開が目白押し。はちゃめちゃ王子様のジュリアと、サムライ気質のアレクシア。二人のやりとりが、とくに楽しい。そして、女性読者悶絶の展開を作り出すため、えっ、そんなバカなという話の流れは、やがて二人の運命を切り裂き……、だが、そこがまた女子悶絶の展開でもあり……。
なるほど、女性読者の心をつかむには、こういう話を書けばいいのかというテキストとしても秀逸な本作。ただし、男性読者が読んでも充分に面白い。
男性とは基本的に浮気性なものだが、それでもやはり、自分にとっての「アレクシアみたいな」女性を見つけたいと願っている。
本作は、第17回角川ビーンズ小説大賞において奨励賞を獲得した名作である。
とくに、話の流れとキャラクターの噛み合わせが素晴らしい。読んだ時間を決して無駄にはさせない作品であると保証する。
というようなレビューを今書いたんですが、これ、続編があるみたいなんですね。で、ちょっとあらすじを読みに行ったら、「ぎゃー、なにこれ、超面白そうなんですけど!」
つづく