番外編 親同士の事情

★~[番外編]~★

幾つかの疑問が浮上した。。。

廃校を後にして、相沢の家に一旦帰った時の事


(そういえばさ、叔父さんも、相沢も同じタイミングで俺の事解ったんだよね?)


(なんの事?あたし棚町くんの事は お父さんには話してないよー)


これが一つ目の疑問。。。


(でもさ?叔父さん言ってたよ?知ってるのは私だけじゃありませんとか

俺は相沢も知ってるんだって、確信を持たせる意味だと思ったけど)


(私、お父さんには好きな人がいるのも教えてない。。から)


そして二つ目のなぞ

(あとさ!俺の母親もなんだけどさ、ここの店にきたことある?)



(んーー。。ない!私が知る限りは!)


(微妙だね。。)


そう言うと、相沢はムスっとして、直接聞きにいこうとしている


(ちょっと 不味いでしょそれは)


あわてて俺は相沢をひき止めた

(なんで?解んないならお父さんに聞けばスッキリするよ?優しいよ?)



(それはわかってるけど)


しかし それならなんで俺には嘘をつく必要があるのかとか

怪しまずにはいれない、とは 天真爛漫なこの笑顔には 絶対に言えなかった。。


(いくね?)

(ちょっと待って!)


ムニっ。。!


(えっ?。。)

(あっと。。これは


何か妙に柔らかくて温かく、先端に角みたいなものが手の中に包まれている。。)


(イヤーー!)


(ごめん!でもわざとじゃ。。でもそんなに嫌なの?。。)


(嫌よ!高校卒業まではこうゆうのなし!)


(。。。まぁいいか。。あと数ヵ月だし。。)


(やっぱり、短大出るまでなし!もう聞いてくるから!)


そういって、いろんな家具を投げつけたあとに

下に降りて、父親に母の事を聞きにいった



(おめでとう。。)


(なにそれ?赤飯?)


なぜか、相沢が降りると父親が 赤飯を土鍋で炊いていた。。。

相沢はそれを見て、確信した


(お父さん?棚町くんのお母さん、ここにきた?)


(いやー 電話くらいかな?息子がお世話になってますって)


(ふーん、何て言ったの?娘もお世話になってますってとか?)


(。。。。。)


ガッチャン。。


(何すんの?!赤飯が!)


(ほんとにそれまだ早いから。。ね?)


(わかっったよ。。愛、聞きたいことってそれだけ?)


(んー多分ね。。)


そう言うと、父親は今度は餅米をつきはじめた


(だってさー、多分、お父さんの勘違いだよ、ボケが近いのかも。。)



(かぁさんも電話したなら、知ってて当たり前か

前に、ここの家の子って言ってたからさ、相沢知ってるのは変だなーって思ってさ)



(でもよかったね?勘違いでさ もし家と棚町くんの親が恋人になったら 大変だしね?)


(んーそこをおれも心配してたんだけどね、勘違いでよかったな?そんじゃー、帰るわソロソロ)



(少しだけ送るよ!)



もう一度、下に降りて、挨拶をしに叔父さんの所に向かうと、何か包みを持たされた


(この間のお礼だから、きな粉もちね?)


(えっ。。?)


(どうしたの?棚町くん)


(いえ。。なんでも。。ありがとうございます)



かちこちの挨拶をして 店を出て相沢に話をふった


(きな粉もち、かぁさんの好物なんだよねー。。。偶然かな?)


(ぐ、偶然よ!そんなの。。お父さんも好きだし)


(だよな!)


今度は

相沢が聞きたいことがあると言っていた


(ねー?棚町くんが変われたキッカケ作ったのは、私だよね?

そう思うと、なんかすごいなーとか思ってさ)


(。。。。。)


(違うの?。。なにかくしてんの!?)


(いや相沢のお陰だよ、でも、キッカケをくれた人が実はいてさ

そんときは聞く耳、持たなかったし

実際、響いたのは相沢の言葉だしさ)


それでもその人間に感謝が無いとゆう事は絶対に無かった


相沢はフォローをいれても事の本末を話さないと、納得しなそうな顔でブスくれている。。


(わかったよ!いうからさ。。)。。。その誰かに出会ったのは三日前の事だった。。。

自転車の鍵を直そうと、粗品を相沢の家に持っていった時に

。。。一人の男と店で居合わせた


その人間は新仲と言う男で、名前を知ったのは、レジのカウンターに鍵を置くときに 

彼の身分証明の為に見広げてあった、免許書にそう書いてあったからだ、俺と同じく、鍵の修理に来ていたらしい


(あぁー君か?棚町君だっけ?修理なら先に見積りさせてもらえるかな?)


(お。。お願いします、あとこれ、母からです、これからお世話になるので宜しくと)


(こちらこそ、わざわざすまないねぇ、宜しく伝えてください)



そのあとも俺は見積りの間、店内で時間を潰していて


そこで、その男が俺にこう言ってきた。。。


(何か悩んでるのかな?それとも迷ってるのかな?)


(いきなりなんですか?)


(いやねー君の目が余りにも、人恋しそうだからさ。。いや人、愛(こい)しいの方かな?)



(同じですよねそれ。。)


(似てるけど違うかなー 恋しいは、まぁ人肌の方かな、恋とか人間関係とか大多数の人間、愛(こい)しいは、完全に特定の誰か一人に執着する感じかな!)


(だから同じだろ?愛とか恋とか 下らないのは一緒だし)


(あれ、もしかして、恋愛絡みの迷いかな?)


全力で否定しようとした瞬間


(それとも、それ以前の悩みの方かな。。よかったら、直ぐ近くのカフェで雑談しないかい?どうせ暇だしね?)


不思議と、イライラするのに、なぜか、この男の言動が鼻につくが、敵意丸出しにも感じなくて

時間潰し程度にならと思った


(店主さん三十分後位に また来ますね?)


(はい、解りました)


店から歩いて10分程度の場所にあるカフェで

この怪しげな男との雑談が始まり


相沢の事 昔の事、家の事は適当にクズ男の事を話した


(なるほどねー、君の家庭の事も、多少は性格に反映はしてるけど

根本は、その子に言ってもらうのが一番君には 響くんだろうね)




(なにをだ?愛とか信じてみてとか、おれが相沢に言われたがってるとでも?)


(何か言っては欲しそうだよね。。。だって君は愛されたいとか、そうゆうの以前の問題だとおもうんだよね)


(馬鹿にしてんのか?愛されるとかそんなもん、求めすぎるものじゃないだろ?)


(そうなんだよねーだから 簡単なんだけどね、本来は君のそのモヤモヤはもうなにもいじる必要もないけど、一人じゃできないから

そうだねー。。。とりあえず、次に目の前に手があったら、つかんでみるといいよ?それも難しいなら、君が手を広げて待ってみるといいよ?)


と、大体こんな事を言うだけ言って、新仲とゆう男はその場から去っていき

俺はあの時は、図星を言われた様な、けれど。。信じることも出来ず

数分後に、鍵屋の所に戻っても、その男は居なかった



(そんで、俺は手続きだけして、帰ったわけ)




(それで終わり?キッカケってなに?棚町くんはどこに救われたのよ?)




(救われたよ?実際その通りになったし 不愉快だけど、そしてそれを全部したのは 相沢なんだよ?)



(よくわかんないけど、役にたってるんだね?ならいいや!)


もういいよ、危ないからさ余り離れると、ありがとう)


(おやすみーまた明日ねー)


こうして、今までで一番、長くて短い、一日が終わり


家に帰ると、なぜか母も赤飯を作って待っていた。。。


(きな粉。。貰ったよ かぁさん)


(ほんとに?大好物じゃん私の)


(だよねー。。)



因みにこのあとも、母と相沢の父には なにも起こらなかった



そして、数日後、最近、母が、どこか怪しげな、喫茶店に通っていたことを。。洗濯物のなかから出たレシートで知った。。。もちろん相沢の父親のコートの中にも同じ店の割引券があったとゆう


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最後のパーツは恋する事 @kakukakusikasikaku

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