★★だから俺は、正しいリアンで――

大国の脅威にさらされる独立間近の港街をめぐる王道ハイファンタジー。王道とはかくあるべしという、胸熱な展開、かっこいいアクション、美しい魔術。主人公ら二人の会話の応酬も楽しい。「それはずるい!」と叫びたくなる瞬間があったが、それも含めて王道だった。
「正しさ」がテーマの一つになっていて、大切な者を守るために戦うこと、掟を守ること、強者に従うこと、妥協すること、耐え忍ぶこと、静観すること、象徴を信じること、どれも誰かにとっては正しくて、誰かにとっては正しくないのだが、主人公が自分なりの「正しさ」を選んだシーンが印象に残った。