Numb

酷い夢を見ているんだ。


誰もが知っている誰かが、自殺したとテレビで報道していた。


嘘だと思った。


報道では、遺書も残さないで首を吊った状態で見つかったらしい。

家族もいるのに、その人が死ぬ理由があまりにも身勝手で。

私たちを置き去りにしたまま、この世界から消えてしまうなんて考えたくなかった。

私の心は、バラバラになって宙をさ迷っている。

こんな悪夢から醒めろと願っても、悪夢は続いていく。


I've become so numb.


そんなフレーズが頭から離れない。


私の目の前を死神のようなものが通っていく度に、「死ななければならない」という強い 希死念慮のようなものが重ねられていく。


いつか、その死神の囁きに押しつぶされて、この悪夢から出られなくなることが、とても怖いと思った。


だが、同時にこの悪夢から解放されるのであれば、別に悪くないとも感じる。


一体、私はいつから悪夢の中に居続けているのだろうと思うと不安になる。

これがもし、現実だったら……と思うと。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

感情を皆無にさせるのは こじらせた青 @quuus

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ