第10話 屍の王 (1)
スキル「第六感」。
アークとの戦闘で手に入った新しいスキルだ。
正直に言うと、気持ち悪い。
アクティブ系で、レベルに乗じて高か範囲の広がるタイプらしいけど……
「「第六感」発動ッ!」
と、ノリノリで発動したんだけど―――――
「―――――アんぎゃあああアアああアッ!!? 」
めっさ頭痛い。
なんか色んな情報が目とか耳とかを介さずに脳みそへダイブしてくる感じ。
頭ん中キーンってするし目は眩むし、吐きそうです。
ていうか吐いた。
オエーッ、って。
もうこれ精神攻撃かなんかの一種じゃないだろうか?
泣きたい。
あー……まだ頭ガンガンする。
二日酔いってこんな感じなのかな。
だとしたら全国の飲み帰りサラリーマンズよ、お疲れさまです。
これなんかのバッドステータス付いてるのか……?
『種族「ゴブリン」
名前「
LV 8/10
状態異常「頭痛(小)」』
あっ、やっぱり。
てか「頭痛」の状態異常って精神魔法に無かったっけ?
え、もしかして自滅スキル?
うそん…………………ドMじゃないよ、ほんとだよ(泣)?
『称号【
おいぃッ!!?
なんだその不名誉極まりない称号はッ!
ルビに弩ストレートな悪意が見え隠れしているぞ!!
なんでこうなんの!?
なんだよ【
俺はMじゃねえのにい………。
「ソぉー……………れッ!!」
ヒュン!!――――――――――ザクッ
「ィよシッ!」
さっき手に入った「投擲LV1」のスキルだけど、結構イイ感じ。
適当に造ったマクレンじゃない石のナイフを投げてみたけど、空飛ぶ鳥さんを撃ち落とせた。
あ、なんか「ノーブルヒューバー」っていう食用の鶏肉だった。
一応ヒューバー種っていう魔物らしい。
らしいよ?
あーくそ。
肩が痛い。
おのれ霊刀め、たんコブのうえに肩まで蝕むか。
思わぬ強敵が身近に潜んでいたようだ。
これは「第六感」に次ぐ難敵ですよ、ったく。
「第六感」は精神攻撃だからね、
たぶん今のところアレが一番の脅威だね。
えーっと、ヒューバーさんが落ちた場所はっ―――――――と。
ん? あいつなんだろ。
ノーブルヒューバーの落下した場所は、森のなかでも比較的開けた場所だった。
普段よりも多めに注いでいる日光のなかに、なにかが佇んでいる。
それは、かつては豪奢であっただろう汚れたローブを羽織い、目深く被った大きなフードの上に、鎖と鉄条網を絡み合わせたような、冠もどきをつけている。
自らが王であると、自らが最も優れていると誇示するように。
『了。当該魔物のステータスを表示します。
種族「エルダースケルトンリッチメイジ」
名前「ハンニバル・ロイス」(性別不明)
LV 77/80
状態異常「憎悪(治療不可)」「怨念(治療不可)」「復讐(治療不可)」
物攻 ※スキルで秘匿されています。
魔攻 ※スキルで秘匿されています。
物防 ※スキルで秘匿されています。
魔防 ※スキルで秘匿されています。
敏捷 ※スキルで秘匿されています。
スキル…※スキルで秘匿されています。
ユニークスキル…※スキルで秘匿されています。
魔法術…※スキルで秘匿されています。
称号…「大魔法術師」「屍ヲ越エシ者」「かつてヒトだった何か」
「第23代王室魔法師団団長」「接触禁忌種」「
「死霊魔法術師」「孤高」「永久の復讐者」
―――――以上です』
えっ?
えーっと…………えぇ?
き、禁忌種?
「……………ムゴッ!?」
……あっぶねえええ!?
叫びかけたぞ今っ!
ていうかバレてねえのか?
ほとんどステータス見えねえけど、探知系スキル持ってるよな?
うーん………あっ。
俺の「隠密」がバカみてえにレベル高いからか。
いまレベルマックスの10だし。
―――――ていうかなんだよ、「かつてヒトだった何か」って。
何かってなんだよ!
どう見ても骨だろうが!!
やべえよどうしよう。
逃げようか、うんそうしよう!?
「そろーっと………」
パキッ
「………ん?」
足元を見る。
何か踏んでる。
枝でした。
折れてました。
「………………」
振り返ります。
「……ハッ!(゜ロ゜)」
睨む骨、ビビるワタシは
「―――――即 ・ 逃 ・ 走ッ!!」
イヤアアアアアアアアアッ!!!
ナンデェーーッ!?
ええーっ、テンプレかよ!
そんなテンプレ求めてねえよッ!!
サッ、と華麗にターンをキメた俺は、低い敏捷ステータスで無茶苦茶に森を駆け抜ける。
足は痛むし疲れも溜まるが、全部我慢して走り続ける。
―――――ハァ、ハァ、結構走ったぞ……?
「んっ?」
ドカーンッ
「おわあああッ!?」
追い付かれてる!?
うそん。
魔法撃ってきやがった!
あれって本当に火魔法術だよな?
なんで着弾後に地面抉るくらい爆発してんだよ!
『あれは【火魔法術LV7】の【
ご丁寧にあるがとう先生ィ!!
ドゴーンッ
また来やがったエクスプロージョン!
うおっ!?
あぶねえなクソヤロウ!
バコーンッ
熱ッ! 熱ッ!
舐めたこと言ってごめんなさいィィ!
「くそがッ―――――「投擲」ッ!」
腰に帯びていたマクレンのナイフを、後ろを追従してくるリッチメイジに投げつける。
精度をあげた「投擲」は、吸い込まれるようにリッチメイジに飛翔したが、石の刃は彼が張った結界魔法術によって砕けてしまった。
『スキル【投擲LV1】が【投擲LV2】にレベルアップしました』
よし。
無いよりも有るほうがマシだ。
レベルアップはありがたい。
この状況、どうするか。
そう思って、俺は背中に背負う二振りの大太刀に目を向けた。
戦慄のアカツキ~AKATUKI of Horrible.~ 神楽坂ヒバリ @Aonn28go
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