オマケコーナー

おまけ 作品解説(ネタバレ含みます)


 作者の上崎 司です! この場をかりてお礼をさせて下さい。最終回までお付き合いくださり、本当にありがとうございました!


 さて、まず初めに本作品のタイトル『ハッピートリガー』なのですが、あらすじにもある通り、もしかしたら『トリガーハッピー』のほうがしっくり来るかもしれません。ですが、世界観である『優しい世界』を強調したかったので、『ハッピートリガー』とさせていただきました。


 お気づきの方も……というより、皆さんお気づきかと思いますが、本文ではキャラクターの『名称』は台詞の中、あるいは、その場にいない人物の名前だけ登場させるとき、以外は『キャラクターの特徴』で地の文を著しています。(例:栗毛色の髪の少女、青い髪の青年、ジト目の少女など)


 この理由は、私が小説を読んだことがないからではなく(カクヨムでたくさんの方々の小説を読ませていただいてます)、登場人物の混同、混乱を防ぐ役割を持たせているためです。


 本作では、名称が2つ以上存在するキャラクターが多く登場します。『パレットと四季 彩』『ピーちゃんとヒナコ』『ヴァルカンとヴァルカネル』など。これらは同一人物なのですが、関係性を覚えるのは読者様への負担となると思いました。


 そこで、『青い鳥』や『青い髪の青年』とすることで、イメージもしやすいですし、ヴァルカネルって誰だっけ?→数ページ前にもどる のようにならずに読み進めやすくしました。

 そして黒城くんは普段、青い鳥のことを『ヒナコ』と読んでいます。読者様が『ヒナコ』で覚えていただければ、最終回で『あー、そういえばそうだった』も演出できると思いました。


 次に、パレットの名前です。銃の登場する作品でよく登場する『Bullet』。弾丸を意味してます。本来の発音は『ブレッド』に近いそうですが、よく表記でみるのは『バレット』の方ですよね。その方がカッコイイですもの。


 物語によくありがちなのは、冒頭から世界が滅ぶ描写ですね。ここに向けて書くぞ!という作者が描きたいシーンの一つであり、読者に『どうしてそうなったんだろう』と興味を惹き付けるができるので、これも構成として上手いと思います。


 ですが、私の作品の主人公の名前はパレットですよね。一話目から戦争の描写をやらかすと、『パレットではなく、バレットが正しいですよ!』と言われてしまいそうだったので……誰かが手帳に書かれた文字を読み上げる冒頭にいたしました。名前もパレットの方が丸っこくて可愛らしいですし。


 パレットの本名、四季 彩。本編では(しき さやか)になっていますが、(しき さい)→色彩であることを示しています。アニメ映えする呼び名は『さやか』です。第29話でも触れたとおり、パレットは絵の具を混ぜ合わせる板のことです。学校で使った人も多いのではないでしょうか。


 作中では、色の名前がついた登場人物がチラホラ登場します。黒城 弾、鴇 愛佳、白樺 涼、金剛 ウリア などですね。えっ? 知らない人が紛れてる? 嫌だなぁ、あの屈強ハゲのことですよ。(こういえばわかる人も多いかな?)記憶喪失だったパレットが、これらのキャラに色づけされ、しだいに変化していくのが、『ハッピートリガー』の最大の見どころです!


 楽しい雰囲気で始まる序章ですが、驚くべきことにパレットは第一の封印が終わるまで『良いこと』を一度もしていません。自分が世界の中心であるかのように振る舞い、我を通して生きています。そんなパレットに最初の変化が現れるのが、第一の封印のボス、R・M・G《レア・メタル・ゴーレム》との戦いの後、エレベーターの中で、フェンネルの持ち主、菜の花 乃呑ちゃんから話を聞いたときです。


 今思えば、耐熱性である『レアメタル』に、青い鳥がダメージを与えられないことを悟っていたのは、昔『鋼帝国』と戦ったことがあったから、ということだったんですね。それを軽々と倒すフェンネル、恐るべしです…


 そんなフェンネルの持ち主、乃呑ちゃんですが、『色の名前』付いてませんよね? はい。実は前作『黒城くん』の構想段階では、鴇 愛佳の親友として登場する一クラスメイトに過ぎなかったからです。 菜の花の花言葉は『活発』です。ほんわかしてる愛佳ちゃんと反対の性格として登場させようと考えていました。


 しかし、人生で初めて小説を書き始めてみると、描写の困難さにぶち当たりました。台詞だけでなくて、地の文がいかに大切であるのかを思い知らされました。そして、『秘宝』のことを何も知らない愛佳(読者様目線)へ向けての説明をするシーン。ここでスイッチが入ってしまいました。


 どうやって愛佳と親友になったのか、『秘宝』の中には何が入っているのか、この人物の実力はどのくらいなのか、といったバックボーンが無いと何も書けないことがわかり、モブキャラのつもりだった乃呑ちゃんの性格や過去、『秘宝』に対する想いなどが膨らんでいき、作中において重要なポジションにまで昇格してしまいました。


 花言葉と言えばもう一つ、24話の花火大会にて、パレットが身につけていた『クローバーのかんざし』です。

 クローバーは、十字架を表しています。花言葉は、『私を思って』『幸運』『約束』などがありますが、もう一つ、『復讐』という意味もあります。 パレットの当初の目的は、『神への復讐』です。そのまま復讐を貫くのか、というミスリードを狙っていました。

 しかし、陽光町の人々との触れ合うことで、パレットから『復讐』という目的が無くなっていたんですね。『ハッピートリガー』ですし、『幸運』を祈っています。


 他に言い残したことはないか、と自問自答していたら、大切なことがすっぱりと抜けておりました!


 本作『ハッピートリガー』は、聖典『ヨハネの黙示録』をモチーフにしています。私が中学生の頃に書いていたこの作品の前のタイトルが、『黒城弾の背徳~禁忌の秘宝編~』(なんだこの厨二病なノートは……)でしたので、主人公も変わってますし、既に原型留めてないですね……ピーちゃんが最後に〆る理由がそれです。


 ヨハネの黙示録には、第一の封印~第七の封印まであるのですが、そのままの設定だと面白くできそうになかったので色々と改変しております。


 というのも、『第一の封印は白い馬。勝利の上に更に勝利を得ようとして出て行く』

『第二の封印は火のように赤い馬。戦争をもたらす。』

『第三の封印は黒い馬。飢饉をもたらす』


 ——バシッ


 面白く出来るかっ!?


 っとツッコミを入れたくなる内容なんですよね。馬、馬、馬って……笑

 それはそれで面白そうですけど、シリアスにはできないです。またお前かよっ!? なノリになります。


 ちなみにヨハネの黙示録の最後は、『新しい天と新しい地が創られ、最初の天と地は去った。神が人と共に住み、涙をぬぐわれる、死もなく、悲しみもない。そこにはいのちの書に名が書かれている者だけが入ることが出来る』とつづられています。


 この終わり方も、私としては納得いきませんでした。死んで天国へ行けたらハッピーエンドですか? 私は違うと思います。それも、命の書に名が書かれている者だけ→イエス・キリスト信者のみが天国へ行けると書かれています。


『イエスってのは……神かなんかですかい?』 ワンピースの藤虎っぽく言ってみました。正確にはイエスは神の言葉を代弁できる人らしいです。なんでも神の御言葉は人間には重すぎるのだとか。


 私の作品の世界観は、重たい感じにはしたくありませんでした。シリアス濃度は濃いですが、死人は一切出さずに終えると決めておりました。


 最終回で登場した『神と呼ばれる人物』ですが、この人物は私が小学生の頃から書いていた第一作、『D・lagoon』《ドラグーン》という作品(さすがに小学生の頃は無題ですよ)の主人公、亜偽乃あぎの 翔空とあという人物です。(Dはドラゴン、lagoonは隔離された世界)


 私としては、「早く来てくれ~翔空~!!」と心の中で絶叫しながら終盤を書いておりました。なお、瑠璃様は同作品のヒロインです。第10話では、『世界の全ての人に平等を』ではなく、『(平行世界を含む)全ての世界の人に平等を』と言ってましたね。意外と優しいんです。少しドジですけど。


『何の見返りも求めず人を助ける』これが主人公のあるべき姿だと私は思います。そこに宗派の違いはありません。少年漫画の主人公は、自分の信念に基づいて人を助けます。私もそんな、現代の中・高生が『憧れる主人公』、魅力的なキャラクター達を今後とも書き続けていきたいです。


 陽光町を舞台とした物語は終わりです。ですが、パレットたちの物語はまだまだ続きます。次回作では、『秘宝』と『秘宝獣』の秘密、生態に焦点を当てながら、楽しい島巡りを書いていきたいなぁと思っています。


 長文失礼しました。

 そして、最後まで『ハッピートリガー』を読了いただき、ありがとうございましたm(_ _)m


 ♢ ♢ ♢ ♢ ♢


 ※ここから先は裏設定です


 本作で回収できなかった設定……


 狐仮面のメイド→秘宝大会二連覇で優勝しているキャラクターです。今後くわしく登場予定。『ハッピートリガー』29話の古伝を語る淑女は実はこの人だったり。


 決勝リーグ出場者(ベスト8)のメンバー→1位は上記の人。2位は前作『黒城くん』で登場した『バードマイスター』、3位は不明、4位は『蒼界の使者 ヴァルカン』、5位と6位も不明、7位は『白銀の狩人 乃呑(マイスターに勝ちを譲っているので実質二位)』、8位は『やまおやじ 熊崎 吾郎太』です。


 次回作で全員出せるかな?(^^;)


 4LDK(大天使組)→ヴァルカン/ヴァルカネル ミカ/ミカエル ウリア/ウリエル ジャンヌ/ジャンヌダルク もう一人のLと、Kもいつか登場させたいです。


 黒城くんが秘宝『ぬこ』を開けられない理由→まだ過去にトラウマがあるみたいです。ピーちゃんとのモードチェンジも習得できてないみたいですし、頑張れ巻き込まれ主人公。


 ミリタリ屋の正体→ジャンヌが天界に来たのは5年ほど前です。


 蛇足→登場しても本編の展開に一切絡むことがない存在です。蛇足です。一応これでも上崎ファンタジーのマスコットキャラです。丁重に扱ってあげましょう(^^;)


 そもそも秘宝って何なの?いつできたの?→これも次の作品で説明したいです。前作でも博士キャラ出したいと言いながら出す余地が無かったので、つぎはもう少しゆとりのあるストーリーにします(^^;)


 名前だけ登場している『東雲先生』は黒城くんたちの担任の教師です。鎖を自在に操ることができる『鎖の支配者』なのですが、夏休み中の本作では出番なしでした。


 大天使ミカエルこと、ミカは東雲先生の親友です。彼女達の年齢が20代前半なのは、本作の7~8年前にもまた、世界が一変してしまうような重大な事件が起きていたからです。そのお話も後々書いていきたいと思います。


本作では話がややこしくなりそうなので登場しませんでしたが、世界観では天界と魔界と人間界が繋がっている世界となっています。ただし、魔界から来ているのは特別な許可を受けた『魔将七選』のみ。前作の登場人物、『琥珀 マナ』ちゃんがその1人です。


今後、ひっそりと『魔将七選』のメンバーが作中に紛れ込んでくるかもしれません。紅い瞳にご注意を。


黒城くんは、私の第3作目の主人公に該当します。第1作目の主人公は、本作最終回で登場した、神様と呼ばれる人物こと『亜偽乃 翔空とあ』、第2作目の主人公は、未登場ですが、『桜間おうま しん』君といいます。それぞれ全く違うタイプの主人公ですが、仲間を思う気持ちはみんな同じです(^^)


今までずっとノートに書いていた落書きを、Web小説として書き始めて早4ヶ月。執筆ペースも安定し、今のところ、物語も破綻することなく書き上げられています。


今後も『秘宝』の魅力をワールドワイドに伝えつつ、執筆活動を続けていけたらいいなと思っています。1作目は『剣』と『龍』、2作目は『能力者』と『支配者』の話が中心ですので、『秘宝』以外も書けるんだ! という所も魅せられるようがんばります!


思わず話が長くなってしまいました。積もる話もあるのですが、そろそろ終わりの時間が来てしまいました。改めて、『ハッピートリガー』を読了いただきありがとうございました。次回作も明るく楽しく熱い展開にしていくので、ご期待ください(^^) 次回作でまた会いましょう

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【完結】ヨハネと獣の黙示録 上崎 司 (かみざき つかさ) @kamizaki

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