第3話お嬢様がおちた
なにこれと二人はもめてたが、極秘にしたいお嬢様が結婚式をあげることを認めることで、なんとかまとまった。
その日の帰り、お嬢様がクルマを取りに行く途中……、
「すいません、この荷物の届け場所どこ……」
宅急便の人だった。だが聞かれたお嬢様はこいつはストーカーだと認識し、相手が話終わるのも待たず、得意のテコンドーで相手のみぞうちを……。
「いってー、お前なんだよ、なんで俺がこんな目に」
「ふん、尾行するにも相手をみろ!バカが」
宅急便の人に目もくれず、お嬢様はいってしまった。
* * *
そして、ついに結婚式当日。
偽結婚とはいえ、みんなの前ではしっかり演技をしている二人。それはもうみんなが羨む結婚式そのものだった。
「おめでとうございます‼社長」
無事に指輪交換も終わると、お嬢様は携帯を取り、 ドア口に行き、
「もしもし、資金はもう動かせてる?」
「ああ、今移してるが何日かはかかるな」
「わかった。頼んだぞ、高橋弁護士」
電話をきって、戻ろうとすると、
「あ、お前この間の!謝ってよ!」
前回の宅急便の人がいた。だがお嬢様は全くきおくになく、またみぞうちに一発……。
「う、うぐ……、待って、いかせないぞ」
お嬢様に殴りかえそうとしたが、逆に背中を蹴られ、隣のプールに落ちてしまった。
「バカが」
当のお嬢様は何もなかったかのように部屋に入った。
* * *
時はすぎ、太陽は沈み、月が綺麗な夜になった。
「おい、涼介、もうのむな!酔ってるぞ」
「いーや、かおり、おれは、おれはな、まだ、まだ飲めるぞ」
「もう、あかり、クルマまで運んでやれ」
はいと言ったあかりによっかかり、涼介はかおりのクルマに乗り、二人はホテルへ。
「では社長、私はこれで」
ホテルの部屋に涼介をソファに、荷物を地面に置き、あかりは出てった。
「涼介、もういいぞ。これで私たちの交渉は終わった。明日離婚をしに行くから、今日は自由にしろ」
そういい残し、お嬢様は大好きなマフラーをつけ、ワインを片手にベランダへ出た。その夜は満月が輝き、星空がとても美しかった。
ところが突然強風が吹いてきて、お嬢様のマフラーを空へ飛ばしてしまった。
「あ、お母さんの形見が!!」
マフラーをとろうと手を伸ばし身を前に……。
ドーン。頭を地面にうち、お嬢様は意識を失ってしまった。
お嬢様が家政婦に!? @andi
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