第2話偽結婚

キョトン。え、け、け、結婚!?!?涼介は想像を絶したこの状態に言葉を失った。

「じゃあそういうことで結婚証明書取りに行こう!って涼介、おい」

「よ、よ、よくないよ、全然よくねえよ」

涼介は大声で叫んだ。

これにかおりは逆に怒り、

「たかが結婚するだけだろ、そんなにわめくことあるかよぼけ」

「いや、あるよ!結婚は人生一大事なんだぞ!もっとこう厳重に考えろよ」

涼介は言い終わるなり、部屋を飛び出した。

「はあ!?おい…」

何がなんだかと全く理解してないお嬢様。だが何かと焦ってるらしい……。

* * *

ブルルル、ブルルル。

あかりの携帯がなった。

「あかり、社長の方はどうだ?」

「星涼介というひとを呼び、それから部屋から出てないです」

「そうか。続けて観察して報告しろ」

そういってあかりの携帯はきれた。あかりはエスカレーターに乗った。50階で今度は田中経理にあい、

「おい、社長の方はなんもないか?」

「星涼介というひとを呼びましたが、田中経理もよんでほしいですか?」

反論や質問の間もあげず、あかりは

「どうしてかはわなんないわ。だが幼なじみらしいですけど、では私はこれで」

そういってあかりはその場を去った。

* * *

五時になり、みんな帰宅し始めた。

「涼介、おい、話がある」

嫌がる涼介を無理やり引っ張り、社長室へ。

「なんだよ!結婚ならごめんだぞ」

「じゃあこれならどうだ?今日からあんたは経理に昇格だ。加えて部屋を与える」

かおりはそういってボタンを押し、壁が開いて、そこにはなんと部屋が!

涼介はうれしさを隠せなかったが、それでも

結婚は無理と部屋を出ようとすると……、

「待って!どうしても結婚しなきゃならないわけがあるんだ!!」

「……じゃあいってみろよ」

「……私父さんが残した資金で大事業することを考えていたんだけど、それが父さんが亡くなる前、この資金を動かすには私が結婚してからでなければならないと遺言を残してて、だから……」

涼介はかおりを見た。ウソをついてるようには見えない。でもだからと言って……、

「事情はわかったけど、だからと言って一生に一回しかないことをこんな簡単に……」

「いや、そんなに大事にしなくていいよ。これはただの交渉だ。そう、これは偽の結婚さ」

え、偽物の結婚!?!?!?涼介はすでに頭がパンクしてた……

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