私たちもきっと、「掃き溜め」に囚われてゆく

レビューを更新しに来ました。期待を込めてのものではありましたが、ずっと星2のままで申し訳なかった…そう思うほどほんとに技巧を凝らした、質量のある素晴らしい作品です。気持ちの上では星100です。

以前にレビューさせていただいたときにも書いたように、次から次へと新たな驚きが用意されていて、それらはこの魅力的な世界観を一層引き立てていきます。ひとつひとつ抜き出して説明したい気持ちも山の如しなのですが、ぜひこれは本編を読んでいただきたいので割愛で…。

個人的な推しポイントとして一つ挙げたいのが映像的な描写の素晴らしさ。場面の盛り上げ方にせよ切り替え方にせよ、映画のようなセンスの良さがもうずっとノンストップで、こういうの好きな人にとっては最悪ストーリーよくわからなくても文章読んでるだけでハッピーになっちゃうのではないでしょうか。

もちろんストーリーも大変によくてですね…この世界のなんとも容赦のない中で、そういう形でしか見得ることのできなかった貴く、尊くきらめくものが描かれています。人間がいかに愚かで、弱いか。そして、存外強かで、愛に溢れているか。妥協せずに書き出しているなというかんじがひしひしと伝わってくるので、こちらとしても全身全霊をかけて読んでしまいます 笑

まだの方は是非読んでください!
ダークファンタジーに加え、大正ロマン…明治?あたりの雰囲気がお好きであれば心ときめくものがあるのではないかと思います。