風の強い日に

@R_Kohara

僕の住んでいる街は北関東に属している。

生まれてこのかたずっとこの街に住んでいる...訳ではない。

就職を機にこの町に越してきた。それまでは雪国で、その前はここから車で四十分くらいの寂れた地方都市に住んでいた。

この街に越してきてから知ったのはこの地域はやたらと風が強いということだ。

そして、そんな日は決まって心もざわついている。


雪国にいた頃は風が強いということは割と少なく、むしろ雨の方が多かったし、雷もたくさん鳴っていた。雪が降れば周りの音を全て吸収したように静かだった。

今は全く違う。風がやたらとうるさい。おまけに家が軋んでいつか崩壊するんじゃないかと最初の頃は本気で思ってた。


風が強い日はその音につられて心がざわついて仕方がない。

家が軋むのと同時に身体のいたるところが軋むようだった。


何にざわつくのか、軋むのか、それは取り止めのないことなのかもしれない。

大半は仕事についてだとか人間関係についてとかだ。


全部を書いてたらきりがない。仕事に対する不平不満。人間関係におけるめんどくささ。


また風が強くなってきた。とりあえずイアホンをしてやり過ごそう。

この家崩壊しなきゃいいな。いや、いっそ、崩壊すればいいな。

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