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概要
寝る前にあっさりとした短編はいかがですか
あらすじ 平凡なH(エイチ)氏の鼻の毛穴から分泌される皮脂が、原子力や石油に代わる第三のエネルギーとして、N(エヌ)国から検知される。本人にさえ気づかれないよう、国家の極秘プロジェクトが発足し、その皮脂があらゆる熱エネルギーとして有用な、完璧な物質であることが判明する。ところがその物質は、氏が生まれてから13歳までに受けたあらゆる刺激に対する生体反応が精妙にからみあって生成されており、どんな微細な刺激でも変質しうるという。時の総理大臣は、H氏の自然な人生の営みに影響がないように「ただ見守るだけ」の専門機関を組織し、研究者たちは22年間、H氏を24時間体制で見守り続ける。さまざまな刺激を乗り越え、すっかり安定したと思われていたある日、H氏が恋をしたことによって皮脂に変質が起き、プロジェクトはあっけなく終焉を迎える。
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