主人公が独特な視点を持って、そして独特な語り口で進んでいく物語。
主人公は地属性、つまり地面に関するモノを操ることができる。地面を砂地にしたり、建物を砂や土くれに還したり、使いようによっては便利だ。そんな能力を隠しながら生活していた主人公は、不登校となっている少女の連絡係になる。水泳部だった少女は、学校のプールが何者かによって破壊されたことから、学校に来られなくなったと主人公は考える。
しかしある日、少女が何者かによって誘拐される現場を目撃した主人公は、少女を助けるべく、師匠に禁じられていた一般人への能力行使に及ぶ。そこで明らかになったのは、少女も能力者であったこと。そして、能力者でありながら、能力を忌避していたということっだった。さらに、能力者を集める謎のカルト的集団の影も迫る。
少女の能力と地。二つの能力が相反するように、自己の能力に対する評価や在り方も相反する構造を持っている作品。
様々な能力者たちが、自身の信念や想い、未来のために戦う!
異能力バトル好きな方にはお勧めの一作です。
是非、ご一読ください。
冒頭から読み始めてのレビューです。
現代ファンタジーとして遜色なしのため応援レビューいたします。
背景は2045年という想像も出来そうな近しい西暦です。ネオノイドという存在が横行する。
余談ですが新人類を扱う物語といえば貴志祐介さんの『新世界より』今作にはそれに近い現代とファンタジーの曖昧模糊な魅力と 現実にありそうなラインを押さえてのネオノイドの説得力ある説明が物語を彩っております。
これは現ファン好きには垂涎の一作となりそうです。
前作の未来桃太郎やこのネオノイドの巻き起こす中に取り込まれる主人公など。作者ならではの勢いは健在。詳しくは巻き込まれて見てください。犯罪や人種間など現代とファンタジーの合間でふわふわしつつぐいっと説得されるように読めるはずです。