思い出してしまえば壊れてしまうかもしれない切なさを

『ピンクのゾウが飛んでいるので絶望的だと思った』――。ひじょうに訴求力のある一文から始まるこの物語は、また『ピンクのゾウが飛んでいるので絶望的だと思った』というワードの中に全ての内容が集約されているといってもよいでしょう。
迫りくる終焉。儚く美しい関係はいつか壊れてしまう。飛来するピンクのゾウは何を表象するのか――。
遣る瀬ないような、同時に騙されたような読後感が素晴らしいです。