お仕置きが必要な悪い子にはゲンコツです!

魔法が当たり前に存在する世界で、しかし主人公のクリス神父は魔法がほとんど使えない。
使えるのは初歩の初歩の簡単なものだけ――。

このハンデをどう乗り越えるかと思ったら、グーパンで殴られた。
いや本当に。グーパンなんですよ。何を言っているのかわからないとお思いでしょうが、グーパンで殴られたような衝撃でした。
「ああ、そう来るか!」という驚きが面白さに変わる。右頬を殴られたら思わず左頬を差し出したくなる。

加えて戦闘描写も良い。
多人数戦などは映画の一場面を見ているかのようなイメージが脳裏に湧き、果てには勝手にBGMまで再生される始末。
これは熱い。もっとだ、もっと見せてほしいと思わせる。

その一方で、クリス神父は何やら過去に複雑な事情を抱えている模様。
時に古傷を抉られて、時には自ら苦しんで。
しかしそれでも、かつて「先生」と呼ばれたからには、たとえ巣立っていったとしても生徒は生徒。
師は生徒を教え諭し、道を示してやらねばなるまい。言ってわからぬのなら、体で知ってもらうしかない。

悪いことをする子には鉄拳制裁。それはきっと、彼なりの愛情表現なのだろう。

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