第1章 第2話 ボタン?天使?いえ、腹黒でした
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺は落ちていた。紛うことなく落ちていた。何故こんなことになっていると、あの朱髪天使のせいだ。
数分前…
「よし!それじゃ説明も済んだところでそろそろ転送させようか!」
「おう!」
「それじゃあ、ポチッとな!」
天使はポケットから胡散臭そうなボタンを取り出し、躊躇いもなく押した。
「あ、言い忘れてたけど異世界のどこに転送するかは、ランダムだから。」
「それを早く言えよ!」
そんな訳で今、俺は上空から落ちているわけだ。
ーーヤバイよかなりの速度で落ちてるよ!このまま落下死とか冗談じゃないよ!
半泣きになりながら、さらに加速する自らの体をどうにか立て直し、近くの森林にダイブすることに成功した。
「痛てて…。」
「あの〜、大丈夫ですか?」
そこにはセーラーを着た黄色い髪の少女がたっていた。
●
「本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫」
少女は心配してくれているが、実際、全くの無傷だったのだ。あの高さから落ちたのだから最悪、死を覚悟したが、予想外に体は頑丈らしい。
「ところで、君は今からどこに行くつもりなの?」
「へ?」
少女はきょとんとした顔で俺を見た。
「あなたと同じ場所だと思いますよ?」
「俺と同じ場所?」
「ええ。だってあなたが着ているのは今から行く聖都ヴィーナス学園の制服で、1年を表す緑色のバッジをしているじゃないですか。」
俺は目線を下に移した。そこには、学ランの着た自分の姿があった。驚きを隠せずにいると、あの天使の声がした。
『そうそう、もう一つ言い忘れてたけど、その世界でのあなたは聖都ヴィーナス学園高等部1年っていう設定だから』
『だから遅えんだよ!!』
腹黒天使に対するイライラ度がまた一つ上がったのであった。
勇者?魔術師?いえ、管理人でした ユー@焼き @yuuattoyakidesu
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