これだけ魅力に溢れすぎていて、紹介文に迷った作品はない。主人公たちのキャラクターも立っていて、飽きが来ない。そして怪異の設定の仕方が凝っている。普通の「人間対怪異」ではなく、単純に「怪異と人間が仲良くやっている」というのでもない。この作品における怪異には起こるべくして起こった理由があるのだ。主人公たちはその理由に迫ることで、怪異を解決していく。まるで「謎解き」のような作品でもあるのだ。幻想的な和風ファンタジーと侮るなかれ。その本質は、人間にも、もちろん読者自身にも向けられている。
激しい異能力バトルなどのハイファンタジーではないが、小生はこのような作風が個人的に大好きだったので、この作品に出会えて本当に良かったと思います。
文章もきれいで整っていて、作者様の力量も恐るべし、と思いました。まだ読んだことがなかったあなた、是非この不思議な世界へ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?
櫻幹編という一つの章を読み終えた時点でのレビューです。
人の恐れの心と、人の心にある畏れという2つの感情が絡み合うストーリーでした。
だからこそただ怖いだけでなく、読み手の心にも訴えかけてくるゾクゾク感が何処か心地良くもある。そんな不思議な魅力がオススメポイントになるかと思います。
この作品のホラー要素の軸となるのはいわゆる怪異でおぞましいのですが、それに対する主人公の男が例えるなら『良薬口に苦し』みたいなヤツで、
まあ憎らしいけど頼もしい!
中々に魅力的です笑
大人になる事で希薄に、ある意味ではなあなあになっていく畏れという感情。
しかし畏れがあるから背筋がピシャッと伸びる、目が冴える。ちゃんと生きようと思える張り感も生まれるのではないでしょうか?
そういう事を気付かせてくれる作品です。大人の心に効きますよー。