第2話 おんなじ顔の人が表れた



「工藤さん今日は機嫌悪いっすね…」



昼休憩中。



昨日声をかけてきた後輩が、今日はこう言った。



今日の俺はといえば、昨夜泣き腫らした目、クマ。


仕事のミスですでに注意され、昨日とは別人のようになっている為、他人にも心配されるわけだろう。




「悪い。っていうか人生最大の病み期かもしれないから」


そっとしといてくれ。



そう言おうとした間際から、

「え!なんすか、彼女と喧嘩したんすか?別れてないですよね!?」

と食い気味で質問してくる後輩。



あーもう、鬱陶しい…。




騒ぎ始める後輩をスルーし、コンビニ弁当を頬張っていると、ポンっと背後から右肩を叩かれる。


振り向くと、筋肉質のいい体つきをした男の人。


俺の3つ上の上司。




「太田さん。お疲れ様です」


「工藤、なんか今日調子悪いんだって?」


「あ、いやー悪いっていうか」


「人生最大の病み期らしいです」



俺の言葉を遮って、代弁する後輩村上。



この後輩はとことん先輩を軽く見ている。

俺のこの落ち込みようを面白がっているように見えるぐらいだ。



というか、後輩だけじゃなく、上司にも見抜かれるぐらい今日俺ダメダメなんだな。


そのことにさらに落ち込んでしまう。




「人生最大の病み期?何かあったのか?」


「いや、ちょっとプライベートが上手くいってなくて。…すみません、公私混同しちゃってて」


「たぶん彼女絡みなんだと思います」



そう言った村上を堪らずキッと睨み付けると、しまったという表情を見せて、半歩後ろに退いた。



「そっか、まあ色々あるさ。まだ若いから。でもならちょうどいいかもしれない。今夜



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運命の人は一人だけのはずです だる @daruru_119

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