待ち合せ

 待ち合せ、しますよね?


 今じゃあスマホがあるもんだから、大体の場所と、これまた大体の時間指定で待ち合わせできちゃう。

 テレビの番組で、「スマホなしで待ち合わせできるか?」みたいな企画やってて、呆れてしまったのですよ。


 こちとらポケベルさえない時代から、待ち合わせしてるし……。


 待ち合せって、どうしてますか?

「〇時頃、△◆ら辺で~。着いたらLINEするよ」

 ってなもんでしょうか?


 便利だわ。



 では……


 初めて会う、顔も知らない相手と待ち合わせ。

 LINEも繋がってない。

 お互い電車で移動。

 場所は、そうですねえ、渋谷にしましょうか。

 金曜日の19時待ち合わせ。

 因みに、相手は関西の方で渋谷に来たことはありません。

 女性です。

 当日のお昼くらいに、一度だけ連絡を取ることができます。

 どんな待ち合わせをしますか?



 待ち合わせ場所の条件を考えましょう。


 ⑴ 誰にでもわかりやすい場所であること

 ⑵ 人混みを避ける


 この二つをクリア出来れば、会えないなんてことはないでしょう。


 ところが、どっこい。(死語?)


 相手は女性です。


 会ったことないのでわかりませんが、地図が読めない、または方向音痴であると仮定する必要があります。


 あるんです。


 LINEもグーグルマップもあるのに、迷うんです。(仮)


 さて。どうしたもんでしょう?


 あの複雑怪奇な渋谷駅(東京駅でもいいですが。なんなら梅田駅でもいいですよ)で、会うことは出来るでしょうか?


 ここで、トラブルです。

 なんと、いくら電話しても繋がりません。

 どうやら電池切れのようです。

 困りましたね。



 こうなってくると、会えるかどうかはお昼の連絡内容次第。



 相手の移動ルート。

 直前の予定。

 今日の服装と、持ち物。


 まあ、これくらいは聞いていますよね。

 でも、これでは厳しい。


 リップの色?

 髪型?

 似ている芸能人?


 いやいや、都会を舐めてもらっちゃ困ります。

 姿形にやたら特徴があるなら兎も角、見た目で判別は難しいですよね。


 会わなくちゃならないんです。

 どうしましよう?



 待ち合わせはね、お店でするんです。


 カフェとかでもいいんですけど、それよりもブランドショップなんかがオススメです。

 駅ビルのね。

 渋谷でも西武とか丸井とかは、遠いですからね。注意が必要ですが。

 どんなに方向音痴な相手でも、係り員が場所を丁寧に教えてくれますよ。


 あとは、駅に隣接しているホテルのロビー。

 ビジネスの相手や、仕事終わりなら違和感ないですし。

 渋谷ならマークシティとかかなあ。


 駅からアクセスが良くて、聞くべき相手がわかる場所。


 だから、スタバとかはやめておいた方が無難かもですね。

 場所はわかるけど、どこにいるんだよっ!ってなるから。


 直前の予定を聞くのは、相手の時間が余ってしまった時対策。

 早く終わる可能性があるなら、時間を潰さなきゃいけないわけです。

 その場所をね、考えてあげる。

 知らない土地で時間潰すって大変ですよ。

 駅ビルはその点便利。


 それにね、関東と関西の違いってやつにも注意です。

 初めて大阪行った時、迷いましたもん。

 大阪駅と梅田駅の関係性に戸惑い(笑)、案内看板に混乱し。

 そんな思いを待ち合わせ相手にさせてはいけません。


 待たせるつもりなんてないけど、基本は待たせても大丈夫な場所を選びましょう。

 仮に待つことになっても、相手の心の負担が少なくて済みます。

 スマホで連絡が取れようと、待つ、待たせるは想定します。

 自分が待つ分にはね、良いんですけど。

 待たせる相手を、相手の知らない土地で誘導するのは大変です。




 相手が迷った時、どうしてますか?


「何が見える?」


 まあ、聞きますよね。(笑)


 その後、「じゃあ、◯◯が見えるよね? そこを左に……」とかやっちゃってないですよね?


 相手は迷っているんです。

 そもそも、右と言われて左に曲がったりしてるんです。多分。

 登ると言われて、北に向かってる可能性もあるんです。(京都に向かってる可能性も捨てきれない)


 なので、相手は動かさない方が良いかと。

 こちらが相手を見つけるんです。


「大丈夫。そこから動かないで。僕が絶対見つけるから」


 今は写メも送れますし、聞くより写真送ってもらった方が、場所を特定しやすいですね。

 わからなくても、駅員か交番で写真見せればすぐです。

 自分で見つける面白みは無くなりますけど。




 色んな待ち合わせがありました。(遠い目)


 先輩からの無理難題シリーズとか。


「飯食おうぜ。どこにいんの?」

「家ですけど」

「ふーん。じゃあさ、一時間後にシンデレラ城の前で」

 いや、自分横浜市在住(当時)ですけど?

 行きましたよ。車飛ばして。ナイトチケット買って。

 待ち合わせだけのために……_| ̄|○

 挙句、三十分遅刻したって怒られるし。




 待ち合わせというか、電話一本で青森まで車飛ばしたアホもいたなあ。横浜から。

「迎えに来て」

「いいよ。どこ?」

「青森」

「うん、わかった」

 二十四時間後に、なぜか仙台土産持って帰って来た。



 余談は余談として、待ち合わせ。

 文明の利器に頼るのもいいのですが、それでももう一歩踏み込んで考えて見てください。


 仕事でも、デートでも、ちょっと変わるかも知れませんよ。

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バーカウンターに転がる話 謡義太郎 @fu_joe

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