季節の女王

穂高美青

魔女と4人の女王達

 むかしむかし、あるところに、4人の美しいお姫様がおりました。


 お姫様方は4人とも王様の跡継ぎとしてとても愛されて育ちましたが、大きくなるにつれて皆どこかを悪くしていることが分かりました。


 桜の木のような桃色の髪の姫は目が見えませんでした。

 海のような青色の髪の姫は声を出すことが叶いません。

 紅葉した葉のような赤毛の姫は髪の毛がずっと短いままで、まるで男の子です。

 雪のような白銀色の髪の娘は生まれたときからずっと、しわくちゃでした。


 王様は悩みました。このままでは、誰かを選んで女王にすることなど、とても出来はしないだろう…。


 するとそこへ一人の魔女がやってきました。


「一年を4つの季節に分け、その季節ごとに一人ずつあの塔に登らせ、過ごさせなさい。

 そうすれば、彼女達の病は年々に癒え、年頃になるころにはすっかり良くなってしまうだろうさ。私がそういう魔法をかけてやろう」と自信満々に言うのです。

 王様はそれを聞くと、とても喜び魔女の魔法を受け入れる事に決めました。

 その時は王様も魔女もにっこり笑い、取り決めの握手を握ります。


 ですがそこに、後からやってきた姫達の母上であるお妃様は怪しんで、魔女に聞きました。

「…もしもですが、決められた季節に塔に登らなかったら、あの子達はどうなるのですか」


 魔女はそれを聞くと、不気味に顔を歪めて笑いました。

「その時は、そうさねぇ。あの子たちの失われるはずだった手足や、声や、目を頂こう。さぞやあたしの役に立ってくれるだろうねぇ」

 王様はそれを聞いて驚きました。

「そんなことは聞いていない。すぐに取り消してくれ! 」と叫びます。

 ですが、王様の声に魔女はさらに大笑い。


「キヒ、ヒヒヒ、イーヒヒヒヒ!もう遅い。お前はさっき確かに頷いた。魔女との契約、魔女の呪いは絶対なのさっ」


 そして魔女はそれだけを言うと、闇の中に消えて行ってしまいました。


 こうなっては仕方がありません。

 王様はすぐさま魔女の言った通りに塔に娘達を向かわせ、季節ごとに娘達を塔で過ごさせました。

 すると不思議なことに、魔女の言った通り娘たちの病は年々癒え、毎年塔に登るのが当たり前となった頃には、娘たちはすっかり年頃を迎えましたが、病んだ所も癒え、それぞれ美しい娘へと成長することが出来たのです。

 王様は大喜びでした。

 そしてついには呪いのことをすっかり忘れ、塔に登ることをあまり大事にはしなくなってしまいました。またそれは、娘たちにも言えることでした。

 ですがお妃様だけが口を酸っぱくして塔に登れと言うものですから、娘たちは仕方なく毎年塔に登っていたのです。


 そんなある年の事。

 王様は無事に成長をした4人に協力して国を治めさせることを決めました。

 娘たちを季節の女王とし、誰か一人が塔に登っている間、残りの3人で国を治められるように、と王様は考えたのでした。

 4人の国作りは中々にうまくいき、争いのない日々がずっと続くかのようでした。


 街では平穏な国にしてくれた女王様達にありがとうの気持ちを込めて、季節毎に『無事次の季節を迎えられた事を祝うお祭り』が開かれることが決まりました。

 これは、街に住む人達が勝手に始めた事だったのですが、普段お城や塔にずっといる女王様達にとってこのお祭りは楽しみで仕方がありませんでした。

 特に白銀の髪の冬の女王様は城下町にいるのが楽しくて仕方がありません。

 とても素敵で優しい狩人の若者との出会いもありました。

「いつまでもこうしていたい。歌って、踊って、ずっと世界がこのままならば・・・」


 そうして、その年の秋の終わりの事。

 お祭りに明け暮れていた冬の女王様は、ずっと若者と一緒に居たいと思い過ぎた故に、とうとう時間の事をすっかり忘れてしまいました。

 あと五分といったところで慌てて走りだしましたが、何せ塔は国の端っこにありました。

 駆けても、駆けても、時間が止まることはなく、願っても、願っても、足は速くなりません。

 向かう塔のあたりには暗雲が立ち込め始め、魔女の力が満ち初めています。

 あの力の矛先が塔に向かう時に中へ居なければ、彼女の魔法は解けてしまうのです。

「待って、待ってよ! あと少しなのだから、お願い……! 」

 そしてついに、彼女の目の前で光が満ちて、塔に雷にも似た瞬きが落ち、塔の鐘が打たれてしまいました。


 ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン……。


 鐘の音の一つ、一つが、彼女の皮膚から魔女に掛けられた魔法の力を削いでいってしまいます。

 冬の女王様の星の瞬きのような瞳や、真っ白な雪のような髪や、鈴のような声はそのままでしたが、彼女の皮膚は塔を目の前にして瞬く間にして枯れ、シワシワに。

 挙句に腰まで曲がり、ついにはまるであの魔女のようになってしまったのです。

 あたりには居もしないはずの魔女のあの、高い笑い声が響き渡っている気がしました。


 最後の望みを賭けて、従者に手伝ってもらいながら大慌てで塔に登った冬の女王様。

 腰が曲がってしまったし、節々もなぜかとても痛みます。

 彼女が塔に入った事でようやっと冬は始まりましたが、その肌は二度と元には戻りませんでした。

 冬の女王様は悔しくて、辛くて、寂しくて、涙を流しました。

 シワシワの肌に涙が伝い、さらにシワシワが広がったようにも思えました。

 冬の始まりの冷たい風が頬を撫で、空は綺麗で美しくて透明でしたが、その美しさに彼女が比例することはありません。


 そして、もう一つ気が付いてしまったことがありました。

 このシワクチャで、醜い自分自身を誰にも見られたくない、と。


「嫌。嫌よ。絶対に嫌。こんな姿を誰かに見られたら、もしも、あの人に見られでもしたら……」

 お祭りで出会った若者に、彼女はすっかり心を奪われてしまっていたのでした。

 そうしてとうとう冬の女王様は、悲しみのあまりに塔の扉を中から閉めてしまったのです。


 それを間近で見ていた年老いた従者が、3人の女王様達と王様に言いました。

「冬の女王は塔に入るのが遅れてしまいました。彼女の肌が元に戻ることは二度とないでしょう……」


 それを聞いた春の女王様は、優しく、しかし悲し気に微笑みました。

 春の女王様はとても優しい人でした。

 優しくて、とても悲しい人でした。


「何とでも別れは、いつだって辛いわよね」

 彼女はそういって、冬の女王様が出てくるのを待ちました。

 でも、いくら待っても彼女が出てくることはありません。


 事を深く受け止めた王様はお触れを出して、なんとか冬の女王様を外に出せないものかと考えましたが、あまりうまくいきそうにはありません。従者も必死に説得しますが、女王様は聞く耳を持ってはくれません。

 それでも、春の女王様は冬の女王様を信じて待つことにしたのでした。


 刻々と春の女王様が塔に入らなければならない時間が迫ってきます。

 普段4人の女王様は自分の任期が過ぎた後、季節の移り変わりに当たるひと月は、誰も塔に入らない決まりになっていました。

 その時間が、急激に変わる気温の変化を抑えていたのです。



 ですが、今、冬の女王様は冬の任期を過ぎ、季節の移り変わりの月も塔に閉じこもったままです。冬の女王様が塔に居る時間が長引けば長引くほどに、冬は強くなり、世界は寒さに覆われていってしまうのです。


 春の女王様は寒さに凍える森の動物達に囲まれながら、手を組み祈ります。

「どうか、彼女の心を、体を、癒してください」

 身を寄せ合う動物達にも、春の女王様の頭にも徐々に多くの雪が降り積もり始めました。



「あと少し、あとちょっとだけでも……」

 冬の女王様もまた、目を瞑りやはり祈るように塔にすがり、窓辺に腰かけ空を見上げておりました。

 どうしてもこの塔から出る勇気が出なかったのです。

 冬の女王様は自分の事ばかり悶々と考えていました。

 特に考えるのは、どうしたらあの、美しい若者にもう一度声をかけてもらえるのかと、そればかり。


 そこに夏の女王様と、秋の女王様がやってきて、塔の下から大きな声で叫びました。

 塔の扉は閉じられていましたが、窓が開いている事に気が付いた二人が、大慌てでやってきたのです。夏の女王様の声は高い塔の上まで届きましたし、秋の女王様の豊かな赤い髪はまるで松明の明かりのように輝いていましたので、冬の女王様は二人にすぐに気が付くことが出来ました。


 何事かと冬の女王様が塔の外を覗くとそこには、山のような雪に覆われた一面の銀世界が広がっていました。

 冬の女王様は驚きました。


 冬の間、空ばかり見ていたので塔の下や周りをちっとも見てはいなかったのです。

 塔の近くの美しい森も、湖も、王様が住む鏡のようだったお城も、全てが白に染まっています。

 いままで女王様がお城にいる間にこんなにも雪が降った事はありませんでした。

 そして、そこで初めて、冬の女王様は自分の過ちに気が付いたのです。


「なんてこと、なんてことを、私はっ! 」

 カツン、カツン、と音を立てて従者が作ってくれた杖を突きながら石造りの塔を後にします。冬の女王様は、やっと気づく事が出来たのです。


 自分がこの塔にずっといるということが、どういうことなのかを。


 いつの間にか、冬の女王様の目からは涙が溢れていました。

 シワシワが再び広がりましたが、もう気にしてなんていられません。


 彼女はあそこにいるはずです。

 優しくも悲しい春の女王様の一番好きな、暖かな動物達のいる森の中。


 冬の女王様が塔を出たので、冷たい雪は止まりました。

 ですが、今度は強い風が吹き荒れ始めました。

 再び暗雲があたりに立ち込め始め、春の季節の始まりの時刻を告げようとしています。


 魔女の呪いの力が辺りに満ち始め、冬の女王様達が森に入ろうとしたその時、とうとう鐘の音がなってしまいました。

 ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン……。


 森の中央付近で魔法が奪われた時の光が瞬きます。

 皮肉にも女王様達はその光を頼りに、春の女王様を探しました。

 どこもかしこも雪だらけでしたが、なんとか森の中心で動物達に守られるように倒れた春の女王様を見つけることが出来ました。


「お願いよ、目をあけて、こっちを見て。どうか……! 」


 抱き上げると、彼女はとても冷たくなっていました。ですが彼女はうっすらとその瞳をあけることが出来ましたがもう冬の女王様と目が合うことはありませんでした。


「あぁ、ごめんなさい。もう私目が見えないのね。辺りは真っ暗だわ。

 誰だかわからないけれど、起こしてくれてありがとう。とても寒いのね。


 私お祈りしていたの。どうかあの子の体が癒えますようにと。

 末っ子のあの子は寂しがり屋だから、肌が美しく無くなってしまった事で、きっと自分自身の価値を見失ってしまったんだわ。

 だけど、私が傍へ行ったら冬が終わってしまう。

 だからこうして傍近くでお祈りするしか、私に出来ることはなかったの。


 ねぇ、どうか、あの子に伝えて下さらない?

 私や、世界や、全ては貴方のためにあると。

 だから気に病むことはないし、寂しがることも、悲しがることもないと。

 例え見た目が変わってしまったとしても、貴方がそうするように、私は貴方を愛しているし、世界もまた貴方を愛していると。どうか、どうか……」


 春の女王様の口からついて出るのは、冬の女王様への優しい気持ちばかり。

 こんなに、迷惑をかけたのに、私はこんなにも、一人よがりなのに、どうして貴方はそんなにも優しくいられるの?

 後から、後から、涙が止まりません。

 シワシワは、顔だけでなく心まで広がるようだと、初めて気が付きました。


 そんな二人を夏と秋の女王様が立たせ、支えながら塔への道へと導きます。

 兎に角春を始めさせなければなりません。

 そうでなければ、このまま世界は雪に覆われたままなのですから。


  風がごうごうと音を立て始め、辺りの雪と共に唸りをあげて眼下を塞ぎ、もはや目の前にあるはずの塔もすっかり見えなくなってしまいました。


 女王様達が戸惑って立ち止まると、小さな嵐の目がやってきて4人を包み、夏の女王様と秋の女王様の足をひょい、とすくい上げて宙へ浮かべてしまいました。


「きゃぁああああ!? 」


 渦を巻き始めた風に彼女達は捉えられてしまったのです。

 そしてその二つの風の中心にして彼女の姿が、忽然と現れました。


 そうです、あの魔女でした。


 魔女は冬の女王様の美貌と、春の女王様の輝ける瞳を手に入れたことでついにこの国の全てを支配し始めることに成功したのです。

 蓄積された魔力が、彼女に膨大な力を与えたようでした。

 これで季節も、願いも、もうほとんど全てが魔女の思いのままです。

 ですが、まだ魔女には足りないものがありました。


 彼女は白く美しい肌と輝く瞳を携えて、下に残る冬の女王様と春の女王様を見下ろし、ニヤリと笑います。その笑いは昔に王様にみせたような下卑た物とは大違いで、彼女の美貌を引き立たせるに相応しい笑顔でした。ですが・・・


「おや、まぁ。こんなところでどうしたんだい?

 魔女との契約を破るとは。なんと身の程知らずなお姫様方だろうねぇ。」


 そういいながらも、冬の女王様と春の女王様には興味などないかのように、ボサボサの灰色がかった髪をいじります。

 姿はすっかり美しくなっていましたが、声や髪は未だ以前のままのようでした。


「この魔女め! 姉さん達を放しなさい! 」


 冬の女王様は持っていた杖を振り上げて怒鳴りましたが、魔女はケタケタと笑います。


「そんな訳にはいかないじゃないか? これから私の魔法を返してもらうんだからさ。あんたたちはもう十分に楽しめたろう? 」


 彼女はそういうと、杖を一振りして塔の鐘の音を再び鳴らしました。

 ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン……。


 そうして夏の女王様と秋の女王様にかかっていた魔法も奪ってしまいました。

 風が解かれ、二人が地に投げ出されます。

 冬と春の女王様が駆け寄ると、夏の女王様は美しい声を奪われ、秋の女王様の髪はすっかり煌めきを失っていました。


 再び魔女を見上げると、彼女は「ふふ、ふふふ。」と笑いながら自分の髪が赤く艶めく姿に変わっていく様を楽しんでいるところでした。


「これで、これでやっと……! あの人に、会いに……! 」


 魔女がそう呟いてから、嬉々として後ろを振り向いた瞬間でした。

 彼女の胸に一本の矢が、ストン、と音を立てて刺さったのです。


「え……?」

 その衝撃を飲み込むように、魔女は至極の表情から驚愕の表情へと顔を移ろわせながら、地に落ちていきました。

 途中、矢を中心に彼女の魔力が漏れ始めます。


「あ、あぁ! あぁぁ! いやよ、駄目! そんな! う、うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!? 」


 声は美しい声からしわがれた耳障りな声に変わり、

 赤い髪は一瞬に白に変わってから抜け落ち、

 目は輝きを失いながら窪み、

 そして肌からは水分と生気が、瞬時に失われていきました。


 魔女は、その膨大な魔力の放出に耐えられず、道連れのように生命そのものも奪われてしまったのです

 そうして、地に着く頃にはとうとう、彼女の纏っていたローブだけがパサリ、と音を立てたのでした。この地に何百年も居続けた魔女の、余りにもあっけない最後でした。


 一瞬の事に呆然とした四人でしたが、魔女のローブが落ちた向こうをみるとそこには、厳しい顔の王様と、泣きそうなお妃様、彼らを呼んだ従者、騎士団、町人達、そして冬の女王様が何よりも求めたあの若者が弓を構えて立っていたのでした。

 王様が呆然と座り込む四人の肩を抱き「お前たちが生きていて、本当に良かった」と呟くと、四人はさめざめと泣き、特に冬の女王様は恥ずかしさと、申し訳なさでもう真面に目を合わせることも出来ませんでした。


 そこへ若者が傍に近寄り、笑っていいました。


「冬の女王様、私はずっと貴女が出てこられるのを待っていました。

 それは、貴女がどんな姿になろうとも変わる事はありえません。

 どうか、私の思いを受け取って頂けませんか。私は、貴女の御心を愛しているのです」


 冬の女王様は嬉しいやら、恥ずかしいやら、でもシワシワの顔で微笑みたくないやら、色んな気持ちがごっちゃになって、もっと沢山泣く羽目になりました。

 でも、それは前と違って自分にとって、とても優しい涙に思えました。

 狩人の若者はそんな冬の女王様の背中をそっと撫で続けていました。



 目の見えなくなった春の女王様は、その二人の様子を耳で聞きながら、どうにか出来ないものかと考えます。

 そして、足元にはまだ沢山の冷たい雪があり、辺りに春の気配がない事に気が付きました。


 春の女王様は夏と秋の女王様にお願いして、塔へと向かいました。

 そしてついに春の女王様が塔へ入ると、辺りに暖かな光が差し込み始めたのです。


 そう、魔女自身が言った通り、魔女の呪いは絶対なのです。

 誰にも、それは魔女の死によってすら解くことは叶うことはないのです。


 そして、世界が動いた証に、再び鐘が鳴り響きました。

 ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン……。


 世界が再び動き出し、時を止めていた大地が廻り、辺りに漂っていた魔女の残滓を塔が吸い込み始めました。膨大な魔力は春の女王に力を与え、彼女の願いを聞き届けました。

 すると、春の女王の目が癒え、夏の女王の喉は潤い、秋の女王の髪は満ち満ちて、そして冬の女王の肌は春色に染まります。


 これには王様も、お妃様も、従者も、騎士達も、町人達も、狩人も、女王様達も皆が皆、喜びました。それからは、塔に女王様が入るたびに、塔はその力を季節の女王達に貸すようになりました。


 そして再び、世界が、季節は、巡るようになったのです。

 彼女たちは年々その美しさを増し、冬の女王様はその翌年に狩人と結婚し、塔へは二人で入るようになったそうです。


 魔女のローブは女王達の塔の中へ飾られ、王様は街中に彼女のお墓を作り、騎士は彼女のお墓を敬い、町人はそののちお墓を囲んでお祭りを上げるようになりました。


 魔女が、寂しくないように。魔女が、悲しくないように。


 魔女の想い人がいったい誰だったのか、王様や女王様達には結局わかりませんでした。

 ですが、魔女のお墓が出来てからというもの、命日には花が添えられるようになったそうです。いつ、だれがその花を飾っているのかは誰にもわかりませんでしたが。


 4人の女王らはその後、王様が亡くなった後も美しいままに良き女王達として仲良く国を治めたそうです。

 そして、冬の女王の傍らには従者のかわりに、いつもあの狩人が付き添うようになったそうです。


 Fin.

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