あったかいジャパリまん

昭和みちたか

あったかいジャパリまん

(ここは、ゆうえんち。大きなセルリアンとの戦いを終え、フレンズたちは各々が楽しい時を過ごしています。)


かばんちゃん「みなさん、お待たせしました。」


(かばんちゃんとサーバルちゃんが、透明袋入りジャパリまんのたっくさん入った籠を抱えて戻ってきました。)


(博士&助手、PPPのメンバー、キツネたち、アルパカさんが迎えます。)


博士「……これは、りょうり?」


(どう見ても、大量のジャパリまんです。)


助手「ジャパリまん以外の何物でもないのです。」


かばんちゃん「そうなんですけど…。とりあえず、食べてみてもらえませんか?」

サーバルちゃん「いろーんな味があるから、選んでね! あのね、早く食べないと、冷めちゃうよっ! ほら、博士、早く早く!!」


博士「…あ!? 熱い!! あっつつつつつつ…!!」


(なんと、ジャパリまんが熱々です。)


博士「こ、これは―――。」

イワビー「な、何だこれ!? ジャパリまんがアッツアツだぞ!?」

助手「危険極まりないのです。」


サーバルちゃん「あのね、私も最初びっくりしたんだよ。舌ヤケドしちゃうよー、って。でもね、アツアツのジャパリまん、すっごくおいしいんだよ!」


かばんちゃん「あったかい内に、どうぞ。」


(かばんちゃんのにっこり笑顔に促されて、恐る恐る熱々のジャパリまんを口にするフレンズたち。)


博士「これは…。これは、やはり……りょうり…!!」

助手「はむ…危険極まりないのです…むぐ……しかし…これもまた病みつきになるのです…もぐ…。」


プリンセス「熱いけど、ほかほかで、ふかふかで、とってもおいしいわね!」

ジェーン「こんな不思議なジャパリまんは、初めてです。」

フルル「わぁ~、なんか体がぽかぽかしてきたよぉ。」

コウテイ「…あの雪と氷の世界で、これを食べたら最高だろうな。」

アルパカさん「フワァーーー!! お茶にもすごぐ合うヨォーー!!」

イワビー「コレ、どうやったんだ!? 火か!? 火を使ったのか!?」



かばんちゃん「電子レンジです。」


みんな「でんしれ……何???」


かばんちゃん「前に図書館で読んだ本にあったんです。同じのがレストランの厨房にもあったから、ジャパリまんを温めたら美味しいんじゃないかな、って。どの味が一番良いか迷ったんだけど、結局、どれもみんな、温めても美味しかったんですよね。」


ギンギツネ「いいわね…。寒いちほーでそれがあったら助かるのに。」

キタキツネ「ボク、毎日あったかいジャパリまんがイイ。」


助手「電子レンジ…。確か温泉施設にも頂のカフェにもあるはずです。」

ギンギツネ「エエエッ!!?」

アルパカさん「そういうことはもっと早ぐに教えて欲しかったヨォーーー!?」


助手「ジャパリまんを温めて食べるという発想が無かったのです。」

博士「無かったのです。」


かばんちゃん「それじゃあ、後で使い方を説明しますね。」

キタキツネ「ヤッター!」

ギンギツネ「ありがとう。」

アルパカさん「かふぇのメニューで出したら、お客さんきっと喜ぶヨォーーー!」


コウテイ「…だが、これだけ色んな味があっても、自分がいつも食べているものが一番美味しいと思ってしまうなんて、可笑しいな。」

サーバルちゃん「あっ、それ私も! 私も!」


かばんちゃん「それだけ、元の生き物に合わせて、よく考えられて作られている、ということではないでしょうか? 最初にジャパリまんを創った人が、フレンズさんたちへの想いを込めて、作ったからでは…。」


サーバルちゃん「おもい?」


キタキツネ「オモイって?」


プリンセス「それは、歌に込めるものね。」

イワビー「アッツイ・ソウルだぜ!」

ジェーン「やさしい、あったかい気持ちのことですよね。」


ギンギツネ「つまり…、こんな感じのことね。」

(ギンギツネは、キタキツネをふわりと抱きしめました。)


キタキツネ「ギンギツネのほっぺ、あったかいジャパリまんみたい。」


フルル「ジャパリまんって、フレンズのほっぺに似てるよね~。フルル大好き~。」


サーバルちゃん「そっか! ジャパリまんがおいしいのは、元々あったかいものが詰まってたからなんだね!」


博士「料理にも、本にも、遊園地にも、ヒトが創造したものは、何であっても、そのすべてに想いが込められているものなのです。まったく、ヒトとは本当に不思議な…、そして素敵な動物なのですね、かばん。」


かばんちゃん「………はい!」



トキ「それでは、ここで一曲。歌います、【あったかいジャパリまん】。」


(いつの間にか降臨してジャパリまんを食べているトキさん。)

かばんちゃん「あ、トキさん。」

イワビー「ちょっ、お前いつから居たんだよッ?」


サーバルちゃん「みゃーーー! 私も一緒に歌いたい!」

PPP「私たちも!」

かばんちゃん「トキさん、その歌、ボクたちにも教えてくれますか?」


トキ「もちろん。皆で一緒に歌いましょう。」


(ゆうえんちに、みんなの歌声と笑い声が響き渡りました。)



             END.   










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あったかいジャパリまん 昭和みちたか @loveshura123

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ