Kemono Friends : Swing Shift

作者 TRAPPIST-1

32

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★★★ Excellent!!!

荒廃したパークを彷徨うのは、37年前の異変を生き残った、アオサギのフレンズ。
周囲のものに対して厭世的な態度を見せる彼女は、年もとらず死ぬ事もかなわない退屈な生き方に、終わりを見出す事にのみ希望を抱く。

自分は何者なのか、他者や社会との関わりの中でどう生きていくのか。
長い時を経て社会を見つめながらも、その変化に順応できずにいるアオサギが、身体は大人なのに、何者にもなれずにいる現代人のモラトリアムを象徴しているようで、とても考えさせられます。

キャラクターの心理描写が巧みなのはもちろん、全編に渡って漂う退廃的な雰囲気も癖になります。
地質学に基づいたであろうリアルな風景の描写は、どのシーンにおいても美しく緻密で、読む者の前に鮮明なビジュアルとして浮かび上がってくるほど。
一見難しく見える世界観にも、説得力と、丁寧な説明があるので、頭に?マークを浮かべるストレスを一切感じさせません。

正直、★★★では足りない評価ですが、言葉の評価によって代替させてもらいます。
読み手として憧れ、書き手として嫉妬する、私の絶対のお薦め作品です。

★★★ Excellent!!!

・青春、という言葉が彼女に当て嵌まるのかは分かりません。
 そもそも例の異変から生き残った彼女は、ヒトの年齢で見れば充分大人で。
 だからこそ少女の見た目に年相応じゃない厭世観は、変化に追い付けずにいる思春期的モラトリアムのイメージを受けました。

 フレンズとしては人間クサく、平穏な日常物のようにはいかないかもしれません。
 それでも彼女には自分らしく生きて欲しいと願うばかりです。