友情とは何か。

@miyako0924

第1話 雨の日のこと

 俺の名は宮崎悠一、中学2年生の男子だ。

 今は放課後部活中だ。そして俺は機嫌が悪い。5時間目の小テストは散々な結果だったし、急に空がどんよりし始めたし、そんなときに限って傘はないし、何より『あいつ』と喧嘩した。

 『あいつ』とは新田洸大の事だ。クラスと部活が一緒、家が近所、ゲーマー同士という共通点が多い友達だ。あいつは頭がいいし、運動もできる。顔も良い方だ。俺も運動は得意だし顔もまあ良い。頭は悪いが。そこは置いておきたいが、置いてはおけない。これが喧嘩の原因なのだから。小テストの点数を聞かれて答えたら鼻で笑われた。ムカついて馬鹿っていったら阿保っていわれてドジって言い返したら間抜けって言われるし。それが普段の愚痴に変わっていって喧嘩になった。思い出したらまたイライラする。おかげで部活中もミスはするは顧問に叱られるは散々だ。だがあいつに誤ったりなんかしない。絶対に。

 帰路につこうと思った瞬間、大粒の雨が降ってきた。傘はない。あいつはある。入れてほしいが喧嘩中だ。そのとき

「風邪ひきたいのか。今日の事は少し言い過ぎた。反省している。だから、その早くこっちに来い。」

こんなことを言われてしまう。タイミングの良いやつめ。

「俺も、悪かったとおもってる。その、だから、ありがとなっ。」

こんなことしか言えない。恥ずかしい。ただ、言われたあいつは少し照れていて、不覚にもかわいいと思ってしまった。友達で、男なのに。

 少し制服は濡れたが、同じ傘の下、家へと歩いて行った。

 

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