ようこそ、闇に彩られたジャパリパークへ

けものフレンズという世界はフレンズ達の放つ、眩くそれでいて暖かな輝きを描いた作品である。しかし、描かれていたのはなにも光だけではない。光に潜む形で闇もまた至る所にちりばめられていた。

この作品は、その闇の部分をオリジナル設定でより色濃いものにして増量し、光と闇のバランスを逆転させたものだ。原作以上に手ごわく、厄介な闇にフレンズ達はかつてない苦境に立たされている。

だが、光とは闇があってこそ際立つもの。考え込まれ、練りこまれたオリジナル設定によってその色を増した”闇”は、フレンズ達の輝きをより一層尊く、素晴らしいものに仕立て上げている。

タグのシリアスやコンセプトで敬遠している人がいるなら、勇気を出して読んで見て欲しい。

一度読んでしまえば、情景が浮かんでくるような丁寧な描写や、違和感を感じさせないキャラの台詞や行動、アプリ版を想起させるような要素から、この作品のすばらしさと、けものフレンズに対する作者の愛の深さがよく理解できるはずだから。

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