第6話「人生を救われた作品はありますか」

 読む、見る、ということ自体は好きなのですが、いかんせん自分は「感想をしゃべる」ということが大の苦手です。文章でなら多少はマシになるのですが、やはり苦手です。そのせいでカクヨムでレビューを書くようなこともしてないのですが、今度挑戦してみようかな、とも思っています。挑戦は、決して悪い方には傾かないでしょうから。

 さて、今回の問いは「人生を救われた作品はありますか」です。人生といったところで、そこまで長く生きているような身ではないのですが、現時点では、こう答えますかね。


 ニコニコ動画に上がっている「シナリオライター結月ゆかり」という作品が、自分をどん底から救い出してくれました。


 小説作品ではないのか、とかツッコミが入りそうですが、確かに私を救ったのはこの作品なので仕方ありません。そのあたりの経緯は名前をぼかす形で「失った話と、蘇った話。」に書いているので(カクヨムにも上げてあります)、こちらには具体名をあげながら話していきましょう。

 まずこの「シナリオライター結月ゆかり」という作品は、二〇一五年十二月に開催された「ゆっくりゆかり対決」という企画で発表された作品です。作者は「そーや」さんという人で、過去に「死神っ娘クラフト(死神になって可愛い娘たちの魂を奪うクラフト)」のシリーズを投稿していた方でもあります。いや、今も投稿しているといった方が正しいですね。

 五月に「雨と、少女と。」を書いて以来、この作品に出会うまで自分は何も小説が書けずにいました。一因として、うつが進行していたことがあるでしょう。説明調の台本は書けても、創作は出来ずにいたのです。それでいいか、と思っていた節もあります。

 そんな自分に、創作欲を再び与えるきっかけが「シナリオライター結月ゆかり」だったのです。

 この作品、基本はMinecraftというゲームを使った動画なのですが、一部に実写パートが使われています。使われた場所は、オアシス21。名古屋に行ったことがあるならすぐわかる、特徴的な公園です。つまり投稿者のそーやさんも名古屋に関わりがあるということで、地元好きということもあり断然興味が湧いてきました。

 それ以前にゆかりんぴっくの動画をみたことがあり、「そーや」という名前自体は聞いたことがありました。それも手伝い「死神っ娘クラフト」を一通り見たわけです。すると、この動画、単なる実況ではなくストーリー性も加えられていて、面白いと感じたわけです。「そーや」さんについて調べてみました。なるほど、演劇をやっている方で、「幻想劇団まほろ」に所属しているのか。「幻想劇団まほろ」って、どんな演劇をやっているんだろう、調べてみよう。そこまでいったところで、とある名前を見つけました。

 それは、自分が通っていた大学の名前でした。休学をやっと決めた頃です。これ、もしかして、彼は自分の後輩ではないのか。そんな予感がしていました。それと同時に、負けられないという気持ちが、創作欲とともに湧いてきたのです。自分でも不思議で、しかしこのチャンスをダメにしてはいけない。そう感じました。

 そしてその年の三月、名古屋の学生劇団の合同企画として「Mosaic」が発表されました。『凸劇「隣の晩御飯」』に、そーやさんとともに見知った名前がありました。所属は、自分の大学の文学研究会。つまり、自分が所属していたサークルの後輩です。

 復学した後、自分はサークルには関わらない気でいました。その考えが変わって、一年間だけは、もう一度関わろう。作品を書こう。そう思えた瞬間です。

 後日、その劇を見にいきました。伊勢神宮への参拝も含め、今こうやって文章が書けているのはこんな出来事のおかげなんだなと感じていたり。

 次回は何について書きましょうか。そうですね、「クロスフィア」第一部について書いていきましょう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

エッセイ:小説書きの執筆小話。 愛知川香良洲/えちから @echigawakarasu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ