お仕事小説にもいろいろある。お店や自営業×日常の謎パターンとか。サラリーマンものだと、上司や取引先からの難題を、バラエティーに富んだ仕事仲間で苦労しながらこなしていく展開が多い。女性主人公で、そこにイケメンとの恋愛フレーバーが絡んだりしてね。一種のテンプレというか。
本作にはそのような色が、最新話まで今のところあまり感じられない。「防衛情報本部」という職場の性質がそうさせているのだろう。そもそも防衛省がプロジェクトX的泥縄対応してるレベルだと、日本の将来が危ういしw
結果、まったりした「お仕事系日常モノ」といった面白いポジションに、本作は位置取っている。防衛省が舞台ながら、外交や防衛・機密の最前線といった色は僅少だ。ドジっ子ながらいつも全力前向きな主人公の姿を楽しみたいなら、本作はうってつけでしょう。
防衛情報本部。名前だけで面白ネタが大量にあることが容易に想像できるこの部門で、飛行機愛の強い新人ヒロイン頑張る、というお話。
周りに強烈なキャラがいて主人公がトラブルに巻き込まれていくコメディは数多くありますが、本作はその逆の手法を取っています。
といっても、ヒロインのキャラクターがちょうど良い。アクが強くないので、巻き込んでいくその過程が鼻につきません。逆に周囲のキャラクターがクセ者揃いで、彼らがヒロインに振り回されている感じが笑いを生み出します。
専門用語や解説、防衛省トリビアなど、膨大な知識が会話の中で自然に説明されているのもお見事。続きが楽しみです!
防衛省の防衛情報本部という、何やらヤバい情報が沢山集まっていそうな部署が舞台のお仕事小説です。
主人公の佳奈は、小柄で真面目な頑張り屋さん。
けれど「持ってる」佳奈は、面接で、配属先で、研修先でと図らずも相手を困らせるような質問をしてしまいます。
機密情報に触れかねないところをズバッと聞いてしまう才能はもはや天性のもの!?
最新話では、同盟国の情報関連部署の方達への接遇を命じられ、またしても何かやらかしそうな予感がプンプンしているところです。
聞き慣れない肩書きや部署名が多く登場しますし、職場の特性上おじさんが多く登場しますが、苗字と風貌が特定の動物をイメージできるようユーモアたっぷりに書かれているので大変読みやすくなっています。
飛行機が大好きな佳奈ちゃんが、小さな体で「たぶん」安全なお仕事に奮闘していく、コメディタッチの楽しいお仕事小説です(^^)
まずタイトルに目を惹かれます。
『ちっちゃいけど』って何でしょう?
子供が空想の世界で防衛ごっことかしてるのかな?
それともお国の劣等生的な主人公の物語?
と、それだけでも想像が溢れ出します。
そして本文を読み進めると、その雰囲気に惹き込まれます。
主人公の熱意、行動力、ポジティブさ、ちょっとおバカな発言等、
あらゆる面で『がんばれ、がんばれ!』と応援したくなります。
記憶違いでなければ、
作者様の作品を拝読するのは初めてだったと思いますが、
その構成力と文体に惚れ惚れします。
よくもこんなに雰囲気の良すぎる物語を書けるものだと素直に思います。
まだ物語は序盤であり、本格的に動き出していません。
この時期にレビューを書くのは本来なら避けた方が良いのかもですが、
それを棚上げしてでも伝えたい程、面白い物語なのです。
早めに応援して盛り上げたいのです!
選考には間違いなく残り、素晴らしい形で完結するだろうと個人的に思っています。
思わずにはいられない雰囲気の作品です。
とても明るく、素敵な気持ちになれます。
皆様にも是非読んでいただきたい物語です。