ここまでレビュー泣かせの作品は中々ねえ! 何に泣かされるかっていうと、作品のタイトルにもなっている秘密計画にどうしても触れたくなっちまうからだ! でもそれに触れると超絶ネタバレになるんだよ! 例えるならこれは、ミステリー小説の一ページ目にある登場人物紹介に「こいつが犯人」と落書きする様なものなんだよ! だから言えねえ! でもこれだけは言っておく! この計画は間違いなく! 疑いの余地なしの! 邪悪計画であると断言するぜ!
失礼しました。
整然としながらも入り組まれた設定が織りなすもの。それはストーリーに美しさと勢いをもたらし、感動を作り出す。私はそう思っていますが、こちらの作品はそれを表現しています。RPGで何故敵を倒すとお金を落とすのか、何故言葉が通じるのか。そういう誰しもが疑問に感じつつも、「ま、ゲームだからね」と言いたくなるようなところをきちんと、しかも納得できる形で解説しています。この辺、非常にようく考えられていて、兜を脱ぐどころか、投げ捨てて蹴っ飛ばしても足りないくらいです。皆様もこの作品で絶妙に作られた設定とそれからなるストーリー、是非とも見てください。
あまり言うとネタバレとともに著者の邪悪さを世にさらけ出してしまうことになるので言えないのですが、「そんな非道が許されるのか!?」と倫理観や常識が覆されます。
例えて言えば、本当にまずいラーメン屋に行って地獄を味わった後で「学食のラーメンは決してまずくない! おいしくないだけなんだ! まずいというのは次元が違う話なんだ!」と妙に達観してしまうようなあの感覚です。
……ごめんなさい。例えが悪かったですね。そんな邪悪な話なのに、怖いもの見たさでついつい先を読んでしまい、あっという間に10万字完読でした。正直に白状しますが、面白いです。はい。