ちょっと抜けた、負けず嫌いの主人公、そしてゲームの才気煥発の4人が織り成す、VRマシン格闘ゲームの物語。
ゲームが五輪の種目になり、そこでの手に汗握る戦いが続きます。
全てを差し置いて、まず「ロマンですね!」ということ。まるで機体に搭乗しているような気分で実際に戦える。それもゲームで、友達と一緒に。それが自分達にとって、幼い頃どれだけ憧れたことか。
少年漫画のように王道でカッコいい台詞回し。団体戦のコンビネーションと、あっと言わせる突飛な作戦。読んでるだけで楽しくて、心が童心の深い深い部分を揺さぶります。
魅力的な女性キャラと煽り役の敵キャラも絶品。「やりたいなあ! いつかやりたいなあ!」と思わせる、アツさ&楽しさ炸裂の作品です!
私は本作のスピンオフ元である「ぱらいそ」の大ファンです。
あえてファンの立場から書かせていただくと、本作のタイトルを見てまず思ったのは「えええ~~~!!??ナインテール??九尾くん!?大丈夫なのかっ!?」ということ。
それほど彼は「ぱらいそ」の世界で典型的なモブであり、華々しいメインキャラたちを際立たせるための下々の者代表です。
どう考えてもメインを任せられる気のしない九尾くん、本作の主人公を張って何か補正を得たかといえば全くそんなこともなし。
好きなものでプロを目指すといってもどうせ馬鹿にされる。冗談だと誤魔化せばいいから言うだけ言ってみるか・・・そんな心の弱さはまさに等身大で、読んでいて身につまされるものがあります。
強烈な周辺キャラたちのド派手なバトルで物語を構成しつつも、自分の役目を果たそうと必死に頑張る九尾くんには一世一代の大舞台が用意されており、モブ的キャラをモブ的ステータスのまま話の中心に据える試みは非常に意欲的なものと言えます。
ぱらいそシリーズの大きな特長の1つであるバトル描写は、かつて漫画を読みつつ「もしこの瞬間にああすればああなって……」と一日中想像に耽っていた時代を思い起こすような遊び心に溢れており、ワクワクしながら読み進めることができました。
さて、ストーリーはいよいよ大詰め、我々の代表九尾くんがチート作品の権化のような絶対王者にどう立ち向かうのか、楽しみにしたいと思います。
思い付きの何気ない言葉が現実になった九尾。
それはGスポーツのプロ。
2020年、ゴリンピックの正式種目へ。
AOAを舞台に世界から集まるチームを撃破するのは九尾が率いる日本チーム。
そのメンバーは、九尾が思い付きの何気ない言葉を、よってたかって叶えさせた海千山千の学友達。
プロの九尾を食い気味に活躍する、司、美織、レン、黛、御老公。
まだ、連載中でその結末は不明ですが、最後まで追わせて頂きます。
現実から見れば、まさに夢の世界です。
選手、実況の養成環境も進みつつありますが、何より必要なのは熱い観客。
一日も早く、日本の e-スポー○も『疾風怒濤のナインテール』の世界に追い付いてくれるよう切に望みます。
主人公の九尾健太はプロゲーマー。ですがランクは低く、日々の生活にも四苦八苦しています。
そんな彼がスポンサーが付くことを目指し、世界の強豪が集う祭典ゴリンピックの選考会に参加するところから物語は始まります。
著者の別作品『ぱらいそ』にも繋がる本作。
しかし『ぱらいそ』を読んでいなくともまったく問題はなく、
登場人物達の掛け合いと軽快な文章によってスムーズにゴリンピックに沸き立つゲーマー達の世界に誘い込まれます。どのキャラクターも個性的で、すぐに彼らの魅力に取り込まれてしまうでしょう。
世界ランカーたちの戦いへと繰り出した主人公達は、単純な機体の性能だけでなく様々な奇策や機転を利かせて真っ向からそれを迎え撃ちます。その機転は見事なもので、「そうきたか!」と膝を打つものもあれば「そんなのありかよ……!」と思わず敵に同情したり。
世知辛いゲーマーの事情やプロゲーマー達の意地や誇り、そして仲間達とのたしかな絆も描かれる本作は、とても刺激的なエンターテイメント作品だと思います。
主人公の青年は、プロのゲーマーだった。
しかし、プロといっても日本ランクは10位、世界ランクは31位。さほど、注目されている選手ではない。
そんなとき、世界の祭典、ゴリンピックでゲームが公式種目になるという。
ゴリンピック選手になれば、いいスポンサーもついて生活がよくなる!と期待する主人公は、勇んでゴリンピック選考会に臨むのだが…。
仲間の強さと、主人公の機転。それを駆使してゴリンピックを駆け抜けていく様は、ゲームにあまり知識のない私のような読者にも、手に汗握らせ、先の読めない展開にハラハラしっぱなしでした。
また、リアルには存在しないゲームを、スムーズに脳内にイメージさせる描写力はさすがとしか言いようがありません。
ひょんなことからプロゲーマーになった主人公。プロとしては、下位ランクのままで不遇の日々を送っていた―― 。
といった設定で始まる本作ですが、序盤からプロたちのバトルがあり、疾走感溢れる展開を楽しめます。
本作の目玉であるゲームは、VRの世界で行われる対戦モノですが、細かい所まで作者が工夫をされていますので、まるでコックピットに乗っているかのような感覚で作品を楽しむことができます。
プロの意地とプライド、キラリと光る匠の技が、軽快な文章の中に詰め込まれた良作です。
本来なら完結した所で評価したかったのですが、今の時点で面白さに間違いなしと思えましたので、フライングしてしまいました。
なお、本作には前身がありますが、読まれてなくても問題なく作られてますので、安心して楽しめます。
そう遠くない未来に実現するゲームの世界を、プロたちと一緒に体感してみてはいかがでしょうか?