素敵な恋のアメ

 圧迫面接を受けた主人公がむしゃくしゃした気分で公園にいると、明らかに泣き顔の女性が現れ、会話します。

「彼女の苦悩が僕には分からないように、彼女にも僕の怒りは伝わらなかったのだと思う。当然だ」
 ですよね。と思いました。そんなに簡単に人の気持ちが理解できるはずがないのです。ここにとてもリアリティを感じました。

 だからこそ「知らないおじさんなのに」というフレーズにも、とても共感しました。
 自分の人生にそれ以上関わることのないであろう人に腹を立てても仕方ない。
 私ごとですが、「知らない人」にちょうど腹を立てていたわたしも、彼女達のやりとりにすくわれた気がします。

 振りだした雨と、恋の味のアメが二人のこれからの幸せの始まりであることを期待できる、心温まる物語です。

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